日本やアジアで実業や投資をされていて、まだ目的や戦略が定まっていないけれど、タイミング的に、心情的に、いろいろなしがらみ的に、とりあえず海外法人を作ることになってしまったなら、とりあえず香港法人にしておくと良いと思います。
バランスがいいからです。つぶしが効くからです。後からいくらでも軌道修正ができるからです。
似た効果を得られるものとしてよくシンガポール法人が挙げられますが、香港法人のほうが、総合点が高いです。
たとえば、中国とビジネスをするのであれば、ビジネスの外向けの箱としての見栄えがよく、外貨規制上、移転価格税制上のメリットも享受できます。これがシンガポール法人だと、法律上は同じメリットを得られますが、実際はなかなかそうは行きません。やってみると分かります。
一方、東南アジアと日本に関連するビジネスの場合は、シンガポール法人も実務上、香港法人と同じ効力を発揮しますが、コストパフォーマンスが全然違います。
また、シンガポール法人だとノミニー制度や他のオフショア法人との親和性も劣るため、次の展開、次の軌道修正が難しくなります。
そして何よりも香港のほうが、シンガポールより近いので、頑張れば日帰りで日本から往復できます。シンガポールだとそうは行きません。
いざ何かあったとき、日本から香港のほうが圧倒的に行きやすいです。海外ビジネスを真面目に続けていると、しばしば、いざ何かが起こりますので。
誤解してほしくないのは、シンガポール法人にはシンガポール法人特有のメリットもたくさんあるということです。別の機会に整理しますが、たとえば東南アジア各国へのリタイヤメントビザ取得にはシンガポール法人は一役買います。また、アジアにいくつか現地法人を持っている規模の企業は、管理と商談・商機という意味でシンガポール法人を設立したほうが、効果的な場合が多いです。
ところで、おかげさまで、本記事で本ブログも100記事となりました。いつも駄文にお付き合いいただきありがとうございます。こうやって多くの方に対して何か物を書くことにもようやく慣れてまいりました。これからは、いかにうまく伝えていくか、どのようなテーマが求められているのかということをより意識しながら、みなさまの役に立つ記事を書き続けていきたいと思います。
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