前回:法人登記国は意外と重要です。 - 海外法人サポートセンター
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以前に法人登記国ごとに歴史的、経済的、政治的特色があるので、費用や設立手続きの容易さに固執せず、お客さんのビジネスに合わせて最適な外国法人やオフショア法人を登記すべき、と書きましたが、今回はそれと逆のことを書きます。
法人登記国は確かに重要ですが、候補を一つに固執しないほうがうまくいくこともあります。
例えば、当初お客様がシンガポール法人とアメリカ法人の同時設立のイメージをもって弊社に問い合わせ頂いた際に、弊社から、アンギラ法人もしくはベリーズ法人のいずれか1社を設立したほうが、より効率的であるとお客さんに提案したとします。
最初のイメージと異なりますので、まじめなお客さんであれば、本当にアンギラ法人やベリーズ法人のほうがいいのか、自分なりに(インターネットで)情報収集します。そして、ベリーズ法人のほうが情報が多く出ているので、そのほうが安心・信頼できると考え、ベリーズ法人を設立したいと依頼してきたとします。
弊社では、一般論として暫定提案のまま案件を進めるのではなく、案件着手の際に、最新の業界動向や現地の状況を踏まえて、アンギラ法人とベリーズ法人、はたまた別のオフショア法人が一番前に進めやすいのか、再確認を行ないます。
その結果、アンギラ法人が同じくらいの費用で一番楽に進められるのであれば、ベリーズ法人よりもアンギラ法人を提案させていただきたいというのが私の本音となります。
決してお客様の判断や能力を低く見ているわけでも、プライドを傷つけたいわけでも、自分の利益を最大化させたいわけではなく、プロとしてその時々のベストソリューションを提示しているだけなのです。
それでもベリーズ法人を設立するのだということであれば、よほどの外的制約がないかぎり、対応するようにしておりますが、そうすることでメリットの見落としがないか、お客さんのほうで、もう一度確認したほうがいいかもしれません。意固地は良くありません。