前回:パナマ文書について その9 - 海外法人サポートセンター
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お問い合わせいただいた方の中から、海外法人サポートセンターはどこにあるのか、直接訪問してお話を聞きたい、というコメントを頂くことがしばしばあります。
本来、私がお客様にお邪魔してサービス内容をご説明いただくのが筋であるにもかかわらず、お客様のほうから、こういったお話をいただくのは、大変ありがたいことです。
しかし残念なことに、弊社では原則としてお客様へ、弊社の所在地を公開しておりません。理由はずばり既存顧客の利益を守るためですが、わかりやすく言えば、まだよく知らない方が事務所に来られて、無知から、あるいは悪意を持ってトラブルを引き起こすリスクをゼロにするためです。
やましいことをしていなくても、訪問者が行政関係者なら、余計な説明をするための手間暇が掛かりますし、裏社会からの依頼にあたった日には、進退極まり、サービスの維持が難しくなります。海外法人・オフショア法人の保有者情報はお金になりますので、情報の引き抜きがあれば、お客様の元へ詐欺の勧誘が行くようになります。ヘタすればお客様の名義で詐欺が知らぬ間に行われているかもしれません。
こういったリスクはお客様に直接跳ね返ってきますので、弊社では、所在地の公開を行なっておらず、訪問も受け付けておりません。
もちろん、所在地を公開して、実際顔を合わせてコミュニケーションを取ったほうが、お客さんが安心するので仕事も成約しやすいのは重々承知しておりますが、そうすることでお客さんが被るリスクを考慮すれば、クライアントファーストを標榜するプロフェッショナルファームとして、この利益相反行為に走るべきではないと考えております。
もちろん日本の事務所の住所を公開し、そこで合法にサービスを提供している海外法人設立サポート会社もいくつかございます。しかし合法に、というのは、サポート会社自身が安全圏にいることを意味しているが、必ずしもサポートされる側のお客さんが安全圏にいることを意味するわけではない、ということをお客さんが自覚しなければなりません。
パナマ文書は氷山のほんの一角に過ぎません。モサックフォンセカ社よりずさんな管理しかしていないサポート会社が、圧倒的大多数なのですから。