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海外法人の売却、買収について、業界を取り巻く規制強化の流れに対応しつつ、買い手と売り手の双方が安心できる取引をサポートするために、この頃は、積極的に転売案件を公開しておりません。
そのかわりに、法人の価値の精査により多くの時間を費やしております。
海外法人の価値は、次の観点から測られます。
①実態のあるビジネス寄りの海外法人の場合
・経営実態
・財務諸表に基づく企業価値
・転売後の双方の税務リスク
②実態のないペーパーカンパニー寄りの海外法人の場合
・各種口座利用履歴
・偶発債務
・転売後の双方の税務リスク
端的に言いきれば、①は一般的な国際M&Aの観点を簡素化したもので、②は転売対象が犯罪行為と無関係か確認するためのものです。
オフショアでは文面主義が徹底されますので、いずれの場合も、相手と言い値が合えば登記変更するだけで済むものではなく、企業価値とリスクを正しく捉えるために、それなりに時間と労力と費用が発生することにご留意ください。
安易に譲渡してあとで問題が起きても、すべて互いに自力で解決していただけるなら別ですが。