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従来、海外口座開設において、オフィシャルな要件の他に、銀行担当者の思惑、銀行全体のその時々の方針といった恣意性が成否に大きな影響を与えてきました。
審査ルールが明確化・標準化されるに従って、こうした側面が薄れるかに思われましたが、実際は逆でした。香港やシンガポールのように人数が集まる法域においては、各銀行、審査工数が膨大にかかるようになり、したがって、合格枠が狭まり、その分、顧客選定の恣意性が更に強く働くようになったのです。
むしろ、ルールの標準化によって、審査の公平性が向上したのは、オフショア銀行でした。非居住者向け専門サービスであるオフショア銀行にとって、文書主義の徹底は不可欠です。どのような書類が必要で、どのような手順と観点で審査すべきかが明らかになり、実務効率が格段に向上しました。
情報の少なさゆえ最初から利用者が限定されているオフショア銀行に合格枠の概念は必要ありません。さらに、オフショア銀行では、証券業務や保険業務を取り扱わないため、銀行側が口座開設と引き換えに成績を求めるインセンティブもありません。
そうした経緯から、敷居が高いように思われたオフショア銀行では、信用状態を書面で英語で示せれば、誰もが公平に口座開設できるようになったのです。
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