前回のつづき→
国際機関の審査対応のために、昨年の秋に、日本政府から金融機関へ、海外送金の管理強化の指示があったと前回書きました。
管理というだけでは曖昧ですので、端的に言えば顧客管理になります。
顧客管理の第一歩は情報収集です。標準化されたKYCルールに従って、
新規顧客に対してのみならず、既存顧客に対しても、
最新の個人情報、法人情報、事業情報の提出が求められます。
基本的な情報が揃えば、金融機関の内部基準に基づいて、
顧客のマネーロンダリングリスクが評点され、クラス分けされます。
リスクが高いクラスに分類された顧客は、取引目的や資金源に関するより詳しい追加情報を求められたり、取引モニタリングの金額や頻度が厳格化されます。
逆にリスクが低いクラスに分類された顧客は、情報提出の水準引き下げや、取引モニタリングの緩和がなされます。
つまり、所属するクラス次第で、管理の厳しさが違ってくるということになります。
ですので、顧客サイドで過剰な管理を避けるためには、
①基本情報をきちんと提出すること、
②イレギュラーな海外取引をできるだけ減らすこと、
③イレギュラーな取引がある場合は、事前に銀行に相談して実績と信用関係を作ること
が重要になってきます。