英語が堪能でビジネスに慣れている方の中には、日本顧客向けの海外法人設立業者から情報だけ聞き出して、海外の現地代理店、現地の会計士と直接交渉したほうが、設立費用を安く抑えられると考えている方が一定数いると思いますが、業者ではなく、お客さんの立場に立ったとしても、あまりオススメはしません。
一つは得るものの少なさと、もう一つは失うものの大きさです。
海外法人設立+口座開設の費用は一般的に1000USDから2000USDです。
中間業者の利益を仮に15%とした場合、節約できるのはせいぜい150USDから300USDです。
一方で、たとえば物を扱う商社の場合は、その商社を飛ばせばその分の利益をそのまま享受できますが、海外法人設立業者が提供しているのは、代行業務だけではありません。
1. 設立・口座開設・更新の代行業務
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2. 情報活用法
の2段構えとなっており、むしろ2.の情報活用法のほうに重きを置いています。
したがって、2.情報活用法知る前に直接現地代理店とやりとりして、仮にうまく海外法人を設立したとしても、本当にうまく活用できるか保証はありません。
そもそも、ゼロから海外代理店と信頼関係をゼロから構築し、トラブルがあったときにうまく対処できるようになるまでには、時間を要するものです。
自分の知っている知識の範囲で論理的に正しい判断を行えても、それが、専門的知識や実際の経験に基づいて行った判断とくらべても正しい判断であるとは限りません。
海外でビジネスを展開する度胸のある方にとって、150~300USDのコストと、海外法人のポテンシャルを生かせないまま、本業の利益を最大化できないままでいるリスクはどちらのほうが、大きなデメリットでしょうか。
私の意見が傾聴に値すると思うかどうかはお客さん次第ですが、何も聞かずに、バランスにかけた断片的な知識だけで前に進むよりも、聞いた上で不要と思えば捨てるほうが、賢明ではないでしょうか。