前回:ノミニー特集 その5 ノミニーとその責任 - 海外法人サポートセンター
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少し間が空きましたが、ノミニーについてお伝えしなければならないことがまだまだございますので、書き足していきます。
これまでの記事で、ノミニーの仕組みや歴史を見てきましたが、お客さんによって事情が異なるので、結局のところ、私がブログでどんなに情報を補っても、ノミニーを使うべきか、使わなくてもよいのか、この問いをお客さんが自問自答することは避けられません。
が、だからといって書かなければ自問自答の末あらぬ方向に走られても、最終的にお客さまのメリットになりませんので、ノミニーを使うべき基準を記していきます。参考にはなると思います。
※日本居住者を想定して書いていますが、海外居住者にも同じことが言えます。
①サラリーマンが本格的な副業を会社にばれずに行いたいとき
ゆくゆくは起業一本で食べていきたい方が、会社にバレずに事業を立ち上げる場合は検討に値します。大きな利益相反や犯罪行為に至らない限り、会社はここまで調べることはありません。報酬をもらわず法人の収益のままにしておけば、雑所得が住民税に反映されて会社の経理・人事にばれてしまうこともありません
②日本株を、身分を隠して購入したいとき
仕手株を仕込んだり、資産規模の大きくない上場企業を買収したいとき、株を取得した真のオーナーが見えなくなりますので、他の投資家に対して優位に立つことができます。海外法人は一般に日本国内で証券口座を開設できないので、まずは日本法人を買収してそこを通して投資を行う必要があります。日本法人の運用益をきちんと納税すれば、海外法人のノミニー活用それ自体が問題になることはありません。
サラリーマン副業のケースと比べて大きい話ですが、なかなか有効な使い方です。
③海外だと合法だが、日本だと違法もしくは黒に近いグレーなビジネスで、日本の顧客を相手にするとき。
これは海外法人の代表が海外移住をする場合のみ有効です。日本に居住を続ける場合は実質の経営者として日本で違法行為を働いていることになりますので、普通に逮捕されます。海外移住し、ノミニーを活用して名前が出ないようにして事業を大きくしたあと、日本に再度居住する段取りをしましょう。
しかし、私も日本人として日本を良くしていきたいという思いがありますから、ビジネスの内容が私の倫理観に反するときは、お断りさせていただくことがあります。言い換えれば、法律が時代遅れで、違法であることが社会的にマイナスだと思われるケースのみ対応いたします。予めご了承ください。
④積極的な節税策を行いたいとき
各国の法律、特に日本の法律に基づき適切な納税がなされなければならないのは言うまでもありません。こそこそ資産隠蔽するほうがリスクがあるということも、これまでに幾度となく書いてきました。
一方で、ノミニーを用いることで組める合法なスキームがあるのも事実です。お客さんの中にも一定数、これに該当する方がおりますので、その方には個別にご案内させていただいております。
⑤事業に失敗したに備え、信用履歴キレイなままにしておきたいとき
起業に失敗はつきものです。実力だけでなく運も大いに影響してきます。万が一会社が倒産してしまったとき、その後の人生プランによっては、そのことが大きくマイナスに響くことがあります。信用履歴を綺麗に保つための保険にする、という考え方もありです。
そのほかにも、いくつかノミニーが活きるケースがございますが、あまり書くと消化不良になってしまいますので、また別の機会に書き足すことにします。
次回は気になる費用対効果を書きたいと思います。