海外法人を設立する際、当然の事ながら法人名を決めなければなりません。
もちろん基本的にはお客さんが自由に決めていいのですが、以下の点に注意したほうが、めんどくさいことに巻き込まれずに済むと思います。
1.会社名の最後にFinance, Bank, Fund, Investment, Securityを用いない
複雑な資本関係や銀行業を連想させるものは、登記時の審査が複雑になり、口座開設時のインタビューが非常に厳しくなります。といえば聞こえがまだいいですが、金融業界での強いバックグラウンドがないと基本的には失敗すると考えてください。
2.会社名にDrug, Weapon, Porn, Casino などを用いない
違法性を連想させるものがプラスに働くわけがありません。
3.会社名にGroup, Partnerなどを用いない
複雑な資本関係を連想させるものは、1と同様、審査が厳しくなります。
4.法人登記国以外のオフショア法人での名称の重複について調査する
一つの国で同じ法人名は一つしか存在しません。しかし、銀行によっては、同じ法人も国が異なれば口座開設できるところと、できないところがあります。
例えば、HSBC香港は、同じ名前の法人は、香港法人1社、オフショア法人1社と合計2社の法人口座開設ができます。一方、最近審査が厳しくなってきた恒生銀行(ハンセン銀行)は登記国にかかわらず同じ名前の法人は1社しか口座開設できません。早い者勝ちになってしまいます。一方で、登記国が異なれば同じ法人名でもいくらでも口座開設できる銀行も、香港、シンガポールはじめいくつかございます。
この違いの一番大きな理由は銀行の管理システムの違いにあります。法人を設立したのに、希望した銀行で口座開設の審査を受ける前から失格することがないよう、名前の重複の有無については、しっかり調査するようにしましょう。
これをやっていない海外法人設立サポート業者が意外と多いです。まさか自分の落度とは言えないので、お客さんに無駄な事業計画書を作らせて、事業計画が悪いから口座開設できなかったと言い訳することでしょう。
そうなってしまう前に、お客様自身が、意識して調査するか、サポート会社に念押しをするようにしましょう。