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再考:オフショア法人は本当に危ないのか?!

日本でオフショア法人といいますと、タックスヘイブンを利用した粉飾決算や脱税や、マネー・ロンダリングといった経済犯罪の一面が取り沙汰されますが、こういったオフショア法人が、ニューヨークやロンドンで数十社も上場され、スムーズに取引がなされていることを忘れてはなりません。また、オフショア金融センターそのものが、東京や香港同様、世界有数の金融センターとして確固たる地位を築いていることも忘れてはなりません。東証一部上場企業がマーシャル法人、といった感覚は日本人には馴染みが薄いですが、心情よりも、論理、実益を取る欧米のスタイルでは、格別おかしいことではないのです。

 

一方で、1990年代、2000年代は、オフショア法人の負の一面が国際経済を不安定にしたとの誹りを免れません。日本の富裕層が黒に近いグレーなビジネスで稼いだお金を海外に隠蔽したり、大手企業が決算資料や株価を操作したりしていたのはまだ序の口です。それ以上に、タックスヘイブンを経由して、盗まれた途上国の富、資源の被害の大きさは計り知れません。それと引き換えに持ち込まれた武器が、各地で民族紛争を助長し、今なお癒えぬ傷痕を残しています。

 

しかし、2010年以降、動機はさておき、先進国の懸命な取り組みによって、法整備と政治的アプローチが確立され、オフショア法人を悪用した経済犯罪は、その件数、金額ともに劇的に減少しています。日本においては、皮肉なことに、国内法人を用いた経済犯罪のほうが、件数が多く、減少率も少ない結果となっています。

それにもかかわらず、オフショア法人のネガティブイメージが日本ではなかなか消えないのは、なぜでしょうか。それはずばり、自分にはよく理解できないお金を操る力に対する不安だと私は考えています。政府にとっても、企業にとっても、個人にとっても不安なのだと思います。不安だからこそ、オフショア法人を面白おかしくスリリングに犯罪小説の舞台にすり替えて、現実味の薄いものにしてしまうのです。

 

こうした中で、私ができることは、国際社会・国際経済とタックスヘイブンの歴史がつながっていることを解説し、各オフショア域の歴史や国の現状について紹介することで、みなさまに、オフショア法人が、誰でもアクセスできる、身近で現実的なものだということを感じていただくことです。

 

もちろん、それでも絶対的多数の方は、依然としてオフショア法人が危ないものというネガティブイメージを持ち続けるでしょう。

しかし、だからこそ、現実に目を向ける勇気を持ち、私を信用して最初の一歩をふみだして頂いた方には、違った景色を堪能していただき、オフショア法人のメリットを最大限享受していただきたいと考えています。

 

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