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HSBC香港で個人口座を開設してから、口座開設業者や、香港IFA、銀行、あるいは日本人がやっっている投資顧問会社を通して、海外積立保険(オフショアファンド)やハイイールド債に投資された方は多いと思います。
口座開設ツアーや投資セミナーやディナーショーが盛んに行われていた時期ですので、半ば開放感から、半ば集団心理から警戒心が薄れてしまったことは容易に想像がつきます。
その結果、大切なタンス預金を預けてしまい、2、3年であっという間に2~5割の含み損を抱え、塩漬けを続けることも、損切りすることもできず、慌ててインターネットで情報収集するも確たる手がかりはなく、肝心の仲介業者は雲隠れ、といった状況に陥った個人投資家があとを絶ちませんでした。
しかし、上はまだ傷が浅いほうで、自己啓発セミナーやアセアン不動産投資に手を出して全損を被ったケースも珍しくはありませんでした。
皮肉なことに、口座を開設したものの、使い方が分からず、気がつけば口座凍結されるほど海外投資からも遠ざかっていた方が一番損が少ないという結果となりました。
大量の負け組を差し置いて唯一成果を出すことができたのは、おとなしく米国大型株やファンドに投資された方と、中国株で一山当てた方だけでした。
でもこれらはよく考えれば、HSBC香港に口座開設しなくても、日本からでも普通に購入できる金融商品でした。
以上から、ずばり、海外投資するだけであればHSBC個人口座は不要で、むしろそのせいで、海外のブローカーや金融機関、あるいは詐欺業者の肥やしになる金融商品と接点を持ってしまい、逆作用を果たしてしまうと言えます。
次回は、HSBC香港の個人口座について、最近新たに出てきたメリットとデメリットについて書きます。
※本記事は十分なサンプルを収集して統計を取ったわけではなく、著者の主観を述べているに過ぎません。