前回の続き⇒
CRSの運用が本格化の一方で、タックスプロモーターたちの決死の研究開発により、CRS対策も本格的に始まりました。
依頼主に焦点を当てて、国籍や居住地を変えるアプローチや、資産に焦点を当てて、その種類や所在地を変えるアプローチが多様化しております。
ここで特筆すべきは、オフショアの悪しきお家芸である形式だけ変えるアプローチのみならず、名実ともにCRSの適用除外を満たせるアプローチが増えてきていることです。
実態まで変えるには、大きな費用と長い時間がかかります。また、安定していた従来の運用を実際に変えるわけですので、様々なリスクがでてきます。それでも、特に重厚な資産を保有する方が耳を傾けることが増えているということは、単にイタチごっこに疲弊したという消極的な理由のみならず、リスクを負って多大なリソースを投入しても、ペイできる、あるいはさらに資産を増やせるスキームが出てきているということです。
こうしたせめぎあいを通してCRSの制度と運用が成熟し、持たざる者から機会や原資を奪い去るのではなく、巨悪を働いて持つ側に回った者から富を再分配する基準になれる日を期待しています。