前回の続き→
これまで、銀行の顧客管理厳格化の背景と管理手法について説明してきました。これから、リスクが高い顧客に分類されてしまったがために、海外送金がしにくくなった場合にどうすればよいか説明します。
顧客クラスの分類はあくまでも銀行内部の基準ですので、お客様に知らされることはありません。ですので、海外送金の際に、過去と比べて、あるいは同業と比べて、提出しなければならない書類や質疑応答が増えていないか、まず自ら気が付く必要あります。
ご自身で処理されている方でしたらすぐに気がつくと思いますが、経理担当者を別に置かれている方は、報告がなくても時折状況の変化がないか、現場に確認するようにしてください。
銀行の要望どおりに書類を提出して、イレギュラーな取引を行わなかったとしても、銀行の内部基準や担当の解釈(多くの場合は経験や知識不足からくる保守的な運用)によって、高リスク顧客として分類されてしまうことがございます。
その場合は、海外取引についてのみ銀行を変更するのも一つの手ですが、ゼロから信用関係を積み重ねるのは、実務上多くの困難を伴います。
現実的には、少額の場合は、個人名義の送金にするか、資金業者を利用する
多額の場合は、海外取引に強い会社に商流に入ってもらうことが、有力な打開策になります。
次回は資金移動業者について少し詳しく説明します。