この1年の間に、海外法人界隈で顔認証システムの採用が急速に進んだように感じます。
技術ブレイクスルーと、コロナによる口座開設面接の難航が引き金となって、フィンテックサービスのみならず、一定規模の銀行においても、一気に導入が進みました。
そもそも認証とは、なりすましを防ぐための本人確認のことです。
旧来、銀行口座開設時の本人確認は、原則として対面での確認が必要であり、限られた法体系が成熟したオフショア法域においてのみ、書類による確認が認められて来ました。これらの方法は、口座開設希望者と銀行の双方において、時間と手間を負担させ、また、利便性提供の点において、サポート会社を大いに悩ませてきました。
しかし、今後顔認証システムが普及することで、関係者全員にとって利便性が大きく向上します。
顔認証システムは、人を自動的に識別するためのアプリケーションによって、スマートフォンやタブレットのカメラ機能から、ライブ画像内の顔と思われる部分を抜き出し、事前に提出された顔面画像データと照合することで識別を行います。
口座開設希望者は事前に写真入りの身分証明書を提出した上で、指示に従って、カメラで頭部の写真や短い動画を撮影することで、自動で本人確認を終えることができます。
もちろん、語学力や口座利用目的の確認は別途行われますが、これまで最も非効率だった本人確認に付随する海外渡航や書類認証の負担が大幅に緩和されていくのは、非常に喜ばしいことです。