前回のつづき→
海外法人口座から個人口座に送金すること自体、税務上何も問題はないが、送金名目によって税率が変わると前回書きました。
税率を抑えるために送金名目を自分で決めようとすると、
往々にして思いつきのアイデアや、今のオペレーションでできることを選びがちです。
一方で、わたくしどものようなプロは、以下の項目をまずリサーチした上で、
効果的と思われる送金名目をいくつも組成します。
①海外法人登記法域の税制
②海外法人事業法域の税制
③個人居住法域の税制
④個人口座所有法域の税制
⑤上記法域間の租税条約
⑥中継法域の税制との親和性
その上で、クライアント様のオペレーション、予算、スケジュール、リスク許容度などを総合的に評価して、送金名目を選定します。
そして、最後に、決まった送金名目に基づいて、契約締結から文書管理までの業務標準を作成し、定期的に効果測定とチューニングを行います。
この手順を踏むことで、税率を最適化できるだけでなく、法人・口座の定期審査、および国際送金時の理由説明も、動じることなく、日常オペレーションを簡単に整理して対応できるようになります。