前回のつづき→
eKYCガイドラインの制定のために、某国の行政機関の2回目の審議会に参加してきました。
顔認証システムの技術は日々進歩していると言っても、一つの審査で本人確認を完璧に行なうことはいまだ困難で、それを人が代理するのもオペレーション上現実的でないことは、業界としての課題です。
ですので、アンチマネーロンダリングの規制が厳しくなる中で、顔認証システムの導入を辞めるとか、eKYC推進自体を辞めるとか、後ろ向きになる国や機関も少なくありません。
それでも、複数のスクリーニングシステムを組み合わせて、取引リスクに応じて審査を何段階かに分けるという現実的な打開策が、審議会で積極的に検討されていることに、金融のIT化を進めたい某国の意志を感じました。