海外法人サポートセンター

海外法人設立、法人口座開設、国際税務、海外送金、海外投資について

海外口座開設の枠数について その1

海外口座に詳しい利用者ならご存知かもしれませんが、口座開設をサポートする代理店に対して、銀行から一定の枠数が割り当てられていることがあります。今月はA社は5口座、B社は10口座といった具合で、銀行側の総枠数の増減および代理店の実績(口座開設件数・取扱金額・信用など)によって変わります。

 

優れた代理店は、銀行側の総枠数の増減を予想・事前に情報をキャッチしつつ、ニーズがマッチしている口座開設希望者の申込みをサポートしつつ、関係者全員がWin-Winの関係になれるようにバランスを取りつつ、プロジェクトを推進します。

 

一方でうまくない代理店は、銀行と希望者のニーズとタイミングを合わせられず、雑に調整している間に、入る情報量も割当枠数も成功件数も減らしてしまいます。そもそも代理店登録していない仲介者については、ここでは触れません。

 

でも外からみていい代理店かどうかわからないし、費用がかかるのに成果保証ではないので、銀行のホームページを見て自分で口座開設を申し込もうと考える方が出てきます。しかしながら、これは一見合理的に見えて、実は最も成功率が低いやり方です。

 

うまい下手にかかわらず、銀行にとって代理店が存在する意義は、コミュニケーション効率の向上です。銀行のプロフィールとサービス概要を希望者に伝え、口座開設の手順と禁止事項を説明し、数ある必要書類について理解を促し、間違いなく記入してもらうには、膨大なコミュニケーションコストがかかります。1件1件対応していたのではきりがありません。そもそも対応したところで、希望者が預金してくれるかどうかわからないし、預金してくれても犯罪資金の可能性だってあります。

 

だから、良い口座開設希望者にスムーズに口座開設してもらうことを、銀行は代理店に期待しています。そして、代理店のサービスの質を、割り当てる枠数によって管理します。うまくやる代理店には枠数を増やし、うまくやれない代理店には枠数を減らすという具体です。

 

ここに、代理店がうまくやれないから直接自分で申し込みを受け付けるという選択肢はありません。建前上はあるように見えて、実務上はほぼうまくいきません。小規模の対面業務のある銀行で、担当者が個人的に人脈を作りたい場合は例外的にうまくいくことがありますが、それでも知人や他の銀行からの紹介がメインで、一見の飛び入りの希望者にチャンスは回ってきません。

 

会社員をしている方なら、転職活動をイメージするとわかりやすいかもしれません。企業の募集状況を調べずに直接ウェブサイトに履歴書を送ってもうまくいくはずがありません。転職エージェントに登録して自身のプロフィールや希望条件を開示した上で、案件を紹介してもらい、履歴書と面接の質疑応答をブラシアップしながら、内定を勝ち取るのが王道です。

 

海外口座の開設もこれと同じです。いくつか代理店にあたって、良さげなところと深くコミュニケーションを取り、フォローを受けながら書類と面接準備をして、最終的に口座を勝ち取ります。

 

唯一の違いは口座開設希望者側でそれなりに費用がかかることです。

次回は近年費用が増加傾向にある理由について書きます。

 

仕事のご依頼や個別相談をされたい方は、メールにて受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

kaigaihoujin.yamaguchi@gmail.com

オフショア投資ブログランキングに参加しています。

にほんブログ村

人気ブログランキング