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香港、シンガポール、ドバイを中心に、アジアのファミリーオフィスは、コロナ下においても、年々倍増し、現在では合計で5000以上あると言われます。
その数を正確に把握できないのは、この業界が秘密主義の上に成り立っているためです。
アメリカと異なり、アジアの発展途上のファミリーオフィス業界では、ライセンス要件や金額制限はゆるく、公開登録も義務付けられていない法域がたくさんあります。業界団体も未熟のため、統計情報や自主規制もほとんどありません。
マネーの匂いが蔓延し、玉石混交で、詐欺やマネーロンダリングが起こりやすい状態にあると言えます。
しかしながら、だからといって、何もかもを白日の元にさらしてデューデリジェンスをするのは、ファミリーオフィスの本質に反します。資産の大きい富裕層であればあるほど、個人情報や資産情報を公開することをためらいます。
持続的な繁栄と第三者の介入は相反するからです。
現状、これといって有効な対策なさそうですが、ファミリーオフィスの利用を検討できる程度の資産を形成できる方なら、ご自身の目と、ご自身の人脈をとおして、楽をせずに少し時間をかければ、質の善し悪しを見分けられると信じております。
そこまで資産はないけれど背伸びしたい方や「ファミリーオフィス」の響きに心地よさを感じてしまう方は、少し注意したほうが良いかもしれません。