前回のつづき⇒
海外FX会社設立を検討される方に対して、最初に提案させていただく主な法域は、セーシェル、キプロス、モーリシャスになります。
海外法人サポートセンターがこの3つの法域しか対応できないわけではなく、多くの場合、これら法域で法人登記して海外FXライセンス取得するのが実践的だからです。
海外FX会社の法域を選ぶ際の主な選択基準は以下の通り。
- ライセンス取得の容易さと登記社数
- 規制の厳格さ
- 設立費用(初期登記費用やライセンス申請費用、法定代理人や登録住所費用など)
- 維持費用(年次報告書、ライセンス更新、監査費用など)
- 現地の税制と国際税務
- 銀行口座開設の容易さ
- 国際的信頼性
- プライバシー保護・情報開示要件
- 金融インフラと現地の専門家(弁護士、エージェント)アクセス
- ターゲット市場への地理的・文化的近さ
これを踏まえるとセーシェル、キプロス、モーリシャスの評価はそれぞれ以下の通りになります。
セーシェル
- ライセンス取得の容易さと登記社数:
- ライセンス取得: 容易
- 登記社数: 約60社
- 規制の厳格さ:
- 非常に緩い
- 審査期間: 6ヶ月
- 設立費用 (初期登記/ライセンス申請/代理人/住所など):
- $US60,000-100,000
- 維持費用 (年次報告/更新/監査など):
- $US25,000-40,000
- 監査: 一部不要
- 現地の税制と国際税務:
- 国内法人税: 0%
- 国際: タックスヘイブン扱い、租税条約なし (日本の対策税制影響大)
- 銀行口座開設の容易さ:
- 世界中のオフショア銀行・グローバル銀行で可能だが、KYC厳格化
- 国際的信頼性:
- オフショア金融センター、信頼中程度だが高リスクで敬遠されることも
- プライバシー保護・情報開示要件:
- 株主/取締役非公開可能、開示最小限
- 金融インフラと現地の専門家アクセス:
- 金融インフラ限定的、エージェント豊富だが現地専門家へのアクセス低め
- ターゲット市場への地理的・文化的近さ:
- アフリカ/インド洋/アジア市場
キプロス
- ライセンス取得の容易さと登記社数:
- ライセンス取得: 普通
- 登記社数: 約50社
- 規制の厳格さ:
- 非常に厳格、EU MiFID II準拠
- 審査期間: 12-18ヶ月
- 設立費用 (初期登記/ライセンス申請/代理人/住所など):
- $US180,000-300,000
- 維持費用 (年次報告/更新/監査など):
- $US50,000-100,000
- 監査/コンプライアンス: 必須
- 現地の税制と国際税務:
- 国内法人税: 12.5%(EU内低水準)
- 国際: EU加盟、租税条約70+ (低税制優遇、国際信頼高)
- 銀行口座開設の容易さ:
- EU圏銀行容易、CySEC信頼で審査スムーズ
- 国際的信頼性:
- EU規制で高信頼、欧州市場アクセス強
- プライバシー保護・情報開示要件:
- EU透明性基準で受益者開示義務
- 金融インフラと現地の専門家アクセス:
- EU基準インフラ良好、弁護士/エージェントアクセス容易
- ターゲット市場への地理的・文化的近さ:
- 欧州市場
モーリシャス
- ライセンス取得の容易さと登記社数:
- ライセンス取得: 容易
- 登記社数: 約25社
- 規制の厳格さ:
- 緩い
- 審査期間: 6-8ヶ月
- 設立費用 (初期登記/ライセンス申請/代理人/住所など):
- $US9,000-150,000
- 維持費用 (年次報告/更新/監査など):
- $US40,000-60,000
- 監査: 一部不要
- 現地の税制と国際税務:
- 国内法人税: 3% (実質0%優遇)
- 国際: 租税条約40+、タックスヘイブン扱い一部 (アフリカ/アジア向け)
- 銀行口座開設の容易さ:
- 地元/オフショア銀行へのアクセス容易、アジア金融ハブ近接
- 国際的信頼性:
- 成長中オフショア、信頼中程度だがアフリカ/アジア特化
- プライバシー保護・情報開示要件:
- 株主非公開可能、AML強化だがプライバシー高
- 金融インフラと現地の専門家アクセス:
- 発展中の金融インフラ、アジア近接で専門機関に好まれる
- ターゲット市場への地理的・文化的近さ:
- アジア/アフリカ市場
いかがでしょうか。初めて海外FX会社を立ち上げるのであればこれら3つの法域で十分な場合がほとんどです。
もし、それでは物足りない方や特別な要望のある方がおりましたら、別途メールよりご相談ください。
kaigaihoujin.yamaguchi@gmail.com
次回は、比較的容易なケースを想定して、具体的な登記手順をご紹介します。
