前回:HSBC香港の本音と建前 - 海外法人サポートセンター
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マネーロンダリング防止やお金にならない口座開設業務の削減から、非居住者がHSBC香港はじめ、香港の銀行で口座を開設するのが極めて難しくなったと書きました。
それならオフショア銀行で開設すればいいと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、開設までにかかる時間、その後のコミュニケーションの難しさ、高い手数料を考えれば、本当にそのメリットを享受できるのは一部の方に限られます。そういった方には私の方からお声掛けするようにしています。
なので、香港での難易度が上がったことで取れる対策は一般的に次の2つとなります。
1.香港で口座開設するための資料、背景をすべてそろえ、開設要件を満たす
これは香港の現地エージェントとの関係が強い、むしろそれしかコネクションがない業者が好むアプローチです。
お客さんのメリットは香港なので渡航の負担がまだ少ないこと、デメリットはお客さん側で準備する資料が多い上に追加資料、追加渡航が必要な場合があることです。それこまでしても口座を開設できないリスクもあります。
もう一つの方法は、ずばり
2.香港以外で口座を開設することです。
世界中見渡せば非居住者でも個人口座、法人口座を簡単に開設できる国や地域がいくらでもあります。もちろん主要通貨にはすべて対応していて、金融システムも確立されています。
お客さんのメリットは、煩雑な資料を準備せずに100%口座開設できること、デメリットは渡航先が香港より数時間遠くなることです。どのみち渡航しなければならないのなら、悪くない選択肢だと思います。
それがどこの国のどの銀行かここで開示すると問い合わせが増えてしまい、現地がパンクしてしまいますので、一旦はベタに香港での口座開設にトライいただき、途中でどうしてもギブアップしそうになった方にのみ、個別にお伝えするようにさせてください。
ひとまず、香港以外の、オフショアバンク以外の選択肢も実はあるのだと理解していただきたいと思います。