業界のことについて
海外法人でFX会社を立ち上げたい、海外FX業者としてライセンスを取得するにはどうしたらいいか、という問い合わせをよくいただきます。FX会社を設立するには、登記する法域ごとの法規制や審査要件を詳細に調査し、遵守する必要があります。 このシリーズでは…
海外法人を設立し、運営していくうえで、切っても切れない行政手続きは、法人設立、登記変更、法人閉鎖(清算)の3つです。 主要法域ごとの標準的な所要時間を以下にまとめました。 法域 法人設立手続き 登記変更手続き 法人閉鎖手続き 香港 10~15営業日 10…
kaigaihoujin.hatenablog.com 前回のつづき→ 今回はモルディブ法人の登記手続きについて説明します。 モルディブの会社法は、イギリス保護国時代の影響でイギリス法の枠組みを持つため、法人設立の手続きは簡素で、登記書類の提出から数営業日で登記証明書が…
インド洋の青い海に浮かぶモルディブ共和国は、約1,200の島々から成る小さな島国です。 現在では高級リゾートが立ち並ぶ世界有数の観光地として知られていますが、その歴史は古く、多様な文化の交差点として発展してきました。 古代のモルディブは、インドや…
2024年半ば、一年ほど前にブルームバーグでこんな記事が出ていました。 シンガポールがマネーロンダリング事件以降、海外資金の精査を強化している一方で、香港は優遇政策により富裕層を取り戻しつつあるというもの。 www.bloomberg.co.jp 2025年も2/3が過ぎ…
kaigaihoujin.hatenablog.com 前回の続き⇒ HSBC香港において、「実体」と「信用」があれば、設立してから歴史の浅いオフショア法人であっても、口座開設が認められつつあると書きました。 この「実体」と「信用」の基準は、業種にも当てはめることができます…
kaigaihoujin.hatenablog.com 前回の続き⇒ 香港はアジアにおける代表的な国際金融センターとして知られ、法人銀行口座の開設を検討する企業や投資家にとって有力な選択肢です。中でも最大手であるHSBC香港における法人口座開設は、多国籍ビジネスやグローバ…
kaigaihoujin.hatenablog.com ⇒前回のつづき 2025年6月9日にシンガポールで施行されたCorporate Service Providers Act 2024(CSP法)について、施行からちょうど2ヶ月が経ちました。この新法は、シンガポール法人の透明性向上とマネーロンダリング防止を目…
オフショア法人を設立することは、節税や資産保全、国際ビジネスを考える方にとって魅力的な選択肢です。しかし、「オフショア法人 設立費用」はどのくらいかかるのか、具体的なコストや注意点が見えにくいという声も多く耳にします。 そこで、この記事では…
世界規模でローンや外貨両替などのサービスを提供し、国際貿易と海外投資を促進するグローバル商業銀行。HSBC銀行、スタンダードチャータード銀行、シティバンク、ドイツ銀行、JPモルガン・チェース銀行などが代表例です。 こうした銀行は、日系大手銀行のよ…
kaigaihoujin.hatenablog.com ⇒前回のつづき 決済代行会社は、加盟店の開拓から決済処理、売上管理など、店舗側の決済インフラを支える機能をアクワイアラに代わって行なうと以前書きました。 取引の円滑化および手数料削減のために、一般に、決済代行会社は…
kaigaihoujin.hatenablog.com 前回の続き⇒ オフショア決済代行会社としての、事業免許(ライセンス)の主な審査項目を挙げます。 ・法人登記 ・オーナーシップ ・経営陣の経験と資格 ・顧客プロファイリング ・取引履歴の管理 ・システムの信頼性 ・サイバー…
kaigaihoujin.hatenablog.com 前回の続き⇒ いよいよオフショア決済代行会社を作る手続きの話に入ります。 まずは、登記法域の選択です。 クロスボーダー決済型とハイリスク決済型は、審査要件や取引先が異なるため、登記法域も異なります。 クロスボーダー決…
kaigaihoujin.hatenablog.com 前回のつづき⇒ 香港、シンガポール、ドバイを中心に、アジアのファミリーオフィスは、コロナ下においても、年々倍増し、現在では合計で5000以上あると言われます。 その数を正確に把握できないのは、この業界が秘密主義の上に成…
kaigaihoujin.hatenablog.com 前回のつづき⇒ ファミリーオフィスは、超富裕層の資産管理だけをするスマートな仕事ではありません。ファミリーのためならなんでもする、ウェットで泥臭い奉仕の仕事です。 それは、ファミリーのマネーを守るだけでなく、ときに…
kaigaihoujin.hatenablog.com 前回のつづき⇒ ファミリーオフィス業界が人材不足だと書きました。 このことは、海外法人業界にも影響をおよぼしています。人材不足だから引き抜きに動くとケースは少なく、圧倒的に増えているのは業務委託です。それも海外法人…
長くこの仕事をしていると、他で海外法人や海外口座を作ったことのある方が流れてくることがあります。 海外法人サポートセンターでは、どんな経緯があったにせよ、支払いにコミットメントいただける依頼主にはサービスを提供させていただくスタンスですが、…
金融ニュースでたびたび登場する「脆弱性」。 この「脆弱性」は、資産価値の急落、負債の不履行、流動性の停滞、サイバー攻撃、不正取引などのリスクをまとめて指す言葉です。 脆弱性の対策として重要なのが「管理」ですが、欧米と日本の金融機関の管理方法…
kaigaihoujin.hatenablog.com ⇒前回の続き オフショア決済代行会社を設立したけれど、利用者が増えずビジネスが成り立たない、そんなことにならないように、市場を分析して顧客理解することが第一歩です。 オフショア決済代行サービスの顧客は加盟店であり、…
kaigaihoujin.hatenablog.com ⇒前回の続き 決済データのやり取りは決済代行会社を介して行われますが、 実際の金銭的なやり取りは、カードを発行する金融機関と、加盟店の決済を処理する金融機関を通して行われます。 業界では前者をイシュア(issuer)と呼…
kaigaihoujin.hatenablog.com 前回のつづき⇒ これまでの記事で、決済の機能と手順について説明しました。 基礎中の基礎ですので、真剣に検討される方は必ず理解してください。 今回も基礎中の基礎、決済の技術的な処理を支える決済システムについて書きます…
海外法人を設立して、クレジットカード決済サービスをやりたい、決済代行業者をやりたい、という問い合わせを、ときおり受けます。 オフショア法域で決済代行会社を設立する場合、登記する法域の法規制と審査要件を詳細に調査し、遵守する必要がありますが、…
海外法人の利用を検討するとき、正攻法ではなく裏ワザ的なものを期待される方も少なくないでしょう。 合法の範囲内で、自分自身の経済的利益を最大化するために、よりよい方法を見つけようとする姿勢は間違っておらず、ビジネスパーソンならむしろそうあるべ…
海外法人をどのように活用すれば日本国内で節税できるのか、という疑問から、インターネット検索したり、海外法人サポート会社に問い合わせされたりする方は多いでしょう。 しかし、その問いに対して答えを得るのは容易ではありません。 第一に、税理士又は…
kaigaihoujin.hatenablog.com 前回のつづき⇒ オフショア銀行に限らず、コンプライアンスという言葉を耳にすることが多いと思います。そもそも、コンプライアンスとは何でしょうか? コンプライアンスとは、法令遵守のことで、企業や組織が法律、規制、ガイド…
ウクライナ情勢と中東情勢で世界が揺れる中で、 オフショア法人の設立が急増しています。 経済的・政治的な不安から資本逃避が進む従来のパターンに加えて、 不買運動リスクを抱えがちな多国籍企業および彼らと取引する仕入先や資本元が、 匿名性を上げて、…
kaigaihoujin.hatenablog.com 前回の続き→ ブローカー経由ではなく、海外法人の会社秘書役と直接取引すると、法人運営と書類作成がはかどると数年前に書きました。 その間、法規制の複雑化および小口利用者減により、多くの日本人ブローカーが廃業して、直接…
kaigaihoujin.hatenablog.com 前回のつづき⇒ 2016年にパナマ文書、2017年にパラダイス文書と、 世界を揺るがすタックスヘイブン取引の機密文書漏洩が続いたことは、 遠い過去の記憶になっているかもしれません。 国際ビジネスや国際投資を円滑に進めることが…
kaigaihoujin.hatenablog.com →前回のつづき 海外口座開設は代理店ごとに割当られた枠数があるので、それを活用したほうが成功率があがると書きました。 そして、今回は、口座開設の費用が年々増加傾向にある理由について書きます。 ①人件費 国際課税の新た…
海外口座に詳しい利用者ならご存知かもしれませんが、口座開設をサポートする代理店に対して、銀行から一定の枠数が割り当てられていることがあります。今月はA社は5口座、B社は10口座といった具合で、銀行側の総枠数の増減および代理店の実績(口座開設件数…