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オフショア決済代行会社の作り方②決済の手順

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前回のつづき⇒

 

オンライン取引を例に、決済の手順を説明します。

ペイメントゲートウェイとペイメントプロセッサーがどのように相互作用しながら動作するかに着目してください。

 

1.消費者による支払情報の入力
消費者がウェブサイトやモバイルアプリ上で商品やサービスの支払いをする際、クレジットカード番号、有効期限、CVVコードなどの情報を入力します。

 

2.ペイメントゲートウェイへの情報送信
消費者が入力した支払い情報は、ペイメントゲートウェイに送信され、ペイメントゲートウェイはこれらの情報を暗号化し、安全性を確保します。

 

3.決済認証リクエストの送信
ペイメントゲートウェイは、ペイメントプロセッサーに対して、決済認証リクエストを送信します。この際、消費者の支払情報とともに、商品・サービス代金や注文番号などの取引情報も送られます。

 

4.カード発行会社への認証リクエスト
ペイメントプロセッサーは、カード発行会社(クレジットカード会社など)に対して、決済認証のリクエストを送信します。このリクエストには、消費者の支払情報と、個別の取引情報が含まれています。

 

5.認証・承認の処理
カード発行会社は、消費者の支払能力や本人確認などの与信確認を行い、取引を承認するかどうかを判断します。取引が承認された場合は、ペイメントプロセッサーに承認通知が返されます。

 

6.承認結果の返却
ペイメントプロセッサーは、カード発行会社からの承認結果を、ペイメントゲートウェイに返送します。

 

7.承認結果の表示
ペイメントゲートウェイは、承認結果を受け取ると、消費者に対して取引の完了を通知します。取引が承認された場合は、消費者に対して注文確認画面が表示されます。

 

8.売上情報の集計
ペイメントプロセッサーは、承認された取引の売上情報を集計し、定期的に加盟店(商品・サービスの提供者)に振り込みを行います。

 

以上が、オンライン決済の一連の動きになります。何の変哲もない決済の裏側では、ペイメメントゲートウェイとペイメントプロセッサーを介して、情報と資金のやり取りが多くの関係者の間で行われています。

 

次回は、技術的な処理を支える決済システムについて説明します。

 

ご相談はメールより承っております。

kaigaihoujin.yamaguchi@gmail.com

 

香港とアラブ首長国連邦(UAE)の投資提携強化

香港とアラブ首長国連邦(UAE)の投資分野における連携が加速します。

 

重複上場とクロスボーダーフィンテックの相乗効果で、

互いの居住者にとどまらず、非居住者にとっても良質な投資機会が増えそうです。

 

www.scmp.com

 

www.moomoo.com

 

オフショア決済代行会社の作り方①決済代行会社とは?

海外法人を設立して、クレジットカード決済サービスをやりたい、決済代行業者をやりたい、という問い合わせを、ときおり受けます。

 

オフショア法域で決済代行会社を設立する場合、登記する法域の法規制と審査要件を詳細に調査し、遵守する必要がありますが、多くの場合で共通する手順とノウハウをシリーズでご説明します。なるべく専門的な内容を平易に説明しますので、どうぞお付き合いください。

 

第1回は、そもそも決済代行会社とは何か?そのビジネスモデルを理解するところから始めたいと思います。

 

決済代行会社とは、リアル店舗・公共料金・Eコマースなど電子商取引において、購買者と販売者の間の決済処理を代行する企業です。決済代行会社は、ペイメントゲートウェイとペイメントプロセッサーの2つの主要な機能を担っています。

 

ペイメントゲートウェイ(Payment Gateway)
ペイメントゲートウェイは、オンラインストアや商取引のウェブサイトとペイメントプロセッサーまたは銀行との間のインターフェースを提供します。

具体的には、クレジットカード決済、電子決済、モバイル決済など、様々な決済方式に対応して、購買者からの支払い情報を安全に受け取り、暗号化してペイメントプロセッサーに送信する役割を果たします。

そのため、購買者の支払い情報を保護し、不正な取引を防ぐセキュリティが極めて重要になります。

 

ペイメントプロセッサー(Payment Processor)
ペイメントプロセッサーは、ペイメントゲートウェイまたは物理的なPOS端末から受け取った支払い情報を処理し、金融機関との連携を行います。

具体的には、取引が承認または拒否されるかを仲介し、カード会社への請求、口座からの資金引き落とし、口座への入金処理などを行います。

決済処理の認証、承認、清算の一連のプロセスを管理するため、金融機関との取引が極めて重要になります。


決済を行うには、通常、ペイメントプロセッサーとペイメントゲートウェイの両方が必要です、これら二つのサービスを一つに統合したオールインワンのソリューションを提供するのが決済代行会社になります。

 

決済代行会社がいることで、消費者と加盟店にそれぞれ以下のようなメリットがあります。

 

消費者にとってのメリット

決済の利便性向上

・様々な決済手段(クレジットカード、電子マネーなど)が使える

・スムーズな決済プロセスで買い物がしやすい

セキュリティ確保

・決済情報の保護により、個人情報の流出リスクが低減される

・不正利用への対策が施されている

購買エクスペリエンスの向上

・スムーズな決済フローで、ストレスのない買い物体験が得られる
・決済に時間がかからず、利便性が高い

 

加盟店にとってのメリット

決済手段の拡充

・多様な決済手段に対応できるため、消費者ニーズに合わせられる

・その結果、販売機会が増える

事務負担の軽減

・決済処理や不正検知などの煩雑な業務を代行してもらえる

・決済業務の効率化が図れる

売上増加と顧客囲い込み

・決済利便性の向上で、売上拡大につながる

・決済データを活用した販促施策で、顧客創造・維持につなげられる

 

以上から、決済代行会社、消費者の決済体験を良好にし、加盟店の事務効率化や売上向上に寄与するために存在するサービスと言えます。

 

これは非常に大事なことです。

 

オフショア法域は自由度を提供するため、どこの法域が最も事業を始めやすいかと問いがちです。しかし、決済代行会社が提供するコアバリューと必要不可欠な機能を知らないことには、事業の始めようがありません。

 

次回も、オフショア法域に限定せず、決済代行会社の機能について説明していきます。

 

ご相談はメールより承っております。

kaigaihoujin.yamaguchi@gmail.com

 

関連記事:

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クレジットカードとオンラインショッピング

【朗報】仮想通貨と現金の取引 その6

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主要な仮想通貨が軒並み最高値を記録したのち、MtGox弁済の売り圧で大きな下落に見舞われましたが、相場が落ち着きを取り戻しつつあります。

 

仮想通貨と現金の取引について、昨年から今までの大きな条件変更は以下のとおりです。

 

・仮想通貨の保有者名義

海外法人もしくは個人⇒コールドウォレットも可

 

・取り扱い金額上限

1日あたり400万円相当⇒1ヶ月あたり5000万円相当

※相場の動きや需給のバランスによってはご要望に添えない可能性がございます。

 

弊社で法人設立、口座開設いただた方には大変ご好評いただいております。

 

詳しくはメールよりお問い合わせください。

kaigaihoujin.yamaguchi@gmail.com

 

過去のQ&Aはこちらから。

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海外で雇用が必要なビジネス

多くの国では、外国人へ投資ビザや事業ライセンスを発行する代わりに、

現地の就業、税収、ならびに経済の安定と発展に貢献することを期待されます。

 

自由度の高く税率が低い海外法人においても考え方は同じです。

海外法人を使った経済活動が登記法域の国内経済と密接であればあるほど、

現地で従業員の雇用が必要になります。

 

この際、金融投資や企業買収を通して、間接的に雇用に貢献する方法もありますが、

大きな資本が求められることが多く、「庶民的」な方法ではありません。

 

多くのブログ読者の方にとって現実的なのは、持続性のある実業を行う過程で

直接従業員を雇用することです。法域や業種によって差こそあれ、

現地での最低雇用人数は2から10名のケースが多く、

個人事業を多少スケールアップすれば、手が届くレベルです。

 

その際、形だけ人数を揃えるために工作するのは悪手です。

積もる人件費と管理費が無駄に思えて、経済的にも心理的にも大きな負担になります。

数年我慢した後に余儀なく撤退すれば、自分も雇用された人も不幸にしてしまいます。

 

どうせコストも時間もかかるなら、労務・税務・法務・IT・リスクマネジメントなど

現地の手続きに必要な責任者を置きましょう。

海外法人の利用者は、海外から取り組めるプロフィットセンターの業務に力を入れ、

彼らには不得手・不慣れな現地のコストセンターの業務をカバーしてもらうことで、

事業の持続性を上げることができ、したがってビザやライセンスの維持に繋がります。

 

登記代理店やビザ代行業者によっては、こうした人材プールと繋がりがありますので、

相談して積極的に活用しましょう。

 

投資ビザや事業ライセンスに関する具体的なご相談は、メールよりお願いいたします。

kaigaihoujin.yamaguchi@gmail.com

 

海外求人のご案内ー欧州系化粧品メーカー@シンガポール勤務

欧州系化粧品メーカーから、シンガポール勤務の案件です。

 

業務内容:品質・生産アジア統括として本社方針に沿ったKPI・プロジェクト管理

勤務地:シンガポール(リモートワーク原則なし)

出張:東南アジア各国、東アジア各国(日本含む)へ出張する可能性あり

募集人数:1名

歓迎条件:化粧品メーカーでの品質管理あるいは生産管理

管理経験:10年以上、5名以上のチームマネジメント

契約期間:実質無期限(ビザスポンサーあり)

語学力: 英語ビジネスレベル以上

予定年収: 2500ー3000万円相当額(ボーナス込、現職)

手当:携帯電話手当

オンライン面接:可

 

コメント:弊社には珍しい欧州系大手アパレルメーカーの案件です。品質・生産責任者として、アジア全体を統括していただきます。日本市場は重要度が高く、販売拠点との意思疎通が大切になるため、現在シンガポール居住者でなくても、日本人であること・日本語が母国語であることのアドバンテージがあります。円安も加わって年収の旨味が上がっています。

 

詳しくはメールよりお問い合わせください。

kaigaihoujin.yamaguchi@gmail.com

 

海外法人と海外口座の今のやり方がいつまで通用するのか

海外法人や海外口座を利用するときに、今のやり方がいつまで通用するのか、気になる方は多いのではないでしょうか?


・法律が変わったら今まで開示しなくていい情報が開示されるようになるのではないか

・銀行コンプライアンスが強化されて急に口座をロックされたらどうすればよいか

・フィンテックサービスは便利だけど倒産したらどうなるのか

 

考えれば考えるほど不安になります。

 

海外法人も海外口座も、将来にわたり存続し、事業や投資を継続していくという前提(ゴーイングコンサーン)で利用されるものです。そのため、流行りの手法でしばらく波に乗ることはできても、持続性がないのでは困ります。

 

一方で、流行りの手法に効果があるのも事実です。一定期間内なら、伝統的な手法以上にめざましい効果をもたらすこともあるでしょう。必要ないと切り捨てるのは大きな機会損失です。

 

以上をふまえて、弊社では、スキームをご提案させていただく際に、「変わらないものと変わるもの見極めて、それらを組み合わせる」という考え方を採用しております。

 

●変わらないもの

法的思考

リスクプロファイル

ドキュメンテーション

伝統的な裾野産業との関係

 

●変わるもの

技術革新

法改定

コスト

代替品

 

何かが変わったときに、変わらないものをベースに、いかに軌道修正するのか、つまりいかに関係者が妥協できる最大公約数と最小公倍数をすばやく探し出すのかが、プロとしての腕の見せどころになります。

 

例えば、情報開示に関する法改定が行われると、ドキュメンテーションノウハウでそれを克服できるか、その結果リスクプロファイルに不都合が生じないか、もし生じるなら、伝統的なチャネルを通してそれを消化できないか、プロは考えます。

 

あるいは、技術革新によって代替サービスが誕生すると、新たなタイプのトラブルになったら法的にどのように解決できそうか、伝統的なチャネルから見てリスクプロファイルはどうなのか、プロは考えます。

 

この説明で抽象的でわかりにくいと感じた方は、

今年2月発売をの「海外口座をうまく使いこなす7つのテクニック」をぜひご購読ください。

 

国際税務を取り巻く環境が大きく変わる中で、金融機関で口座を維持する方法は大きく様変わりするわけですが、その一方でリスクプロファイルやドキュメンテーションなど変わらないものの存在も大きいことにお気づきいただけるかと思います。

 

kaigaihoujin.hatenablog.com

 

 

中国高級不動産市場が活発

冷え込む一般向け不動産市場をよそに、中国では高級不動産市場は好調です。

 

理由は以下の3つ。

・上海の金融センターは資産価値が依然として高く、割安である

・他の省の市民からの投資が集まるように規制緩和された

・不景気でよりよい投資商品が他にない

・海外への資本逃避はコストもリスクも高い

 

会社法・金融法が色々変わる時期ですので、

外国人でも投資しやすい商品やスキームがでてくるかもしれません。

 

www.bloomberg.co.jp

シンガポールにて口座閉鎖・資産凍結が大量発生 その6:投資会社への規制強化

kaigaihoujin.hatenablog.com

 

シンガポール金融管理局(MAS)は、投資会社への規制を強化します。

大きくは2点。投資会社を隠れ蓑にした不正な資金フローを断つ狙いです。

・2.5億USD以下のヘッジファンドの認可取消

・ファミリーオフィスの口座/受益者情報の開示

 

一般のシンガポール口座利用者や口座開設希望者への影響は落ち着きましたが、金融業界は戦々恐々としながら、規制対応の膨大な実務に追われる日が続きます。

 

www.bloomberg.co.jp

 

kaigaihoujin.hatenablog.com

 

国際情勢の揺らぎとともに増えるオフショア法人設立 その2

kaigaihoujin.hatenablog.com

 

残念ながら戦争は儲かると考える人が一定数います。

それは武器や資源の売買といった直接的な、国家によって時に正当化されるものだけではなく、戦地の混乱に乗じた間接的な、民間人による狼藉もあります。

 

前者はある程度国際社会のルールと世論に縛られていますが、後者にはそれがありません。戦争が長引けば長引くほど、弱者を極限まで食い尽くす経済の生態系ができあがります。そこにはイデオロギーも敵味方も復讐の連鎖なく、ただ、非人道的な「ビジネス」が広がるばかりです。

 

匿名性を提供するサービスの性質上、そういった「ビジネス」に悪用されないよう、KYCと顧客リスク評価を一層強化することが、オフショア業界の最低限のマナーだと考えます。

 

仕事のご依頼や個別相談をされたい方は、メールにて受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

kaigaihoujin.yamaguchi@gmail.com

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