オフショア法人は規制が少ないといえど、
金融ビジネスをする場合は、必ずライセンスを取得する必要があります。
投資助言、証券売買、先物契約、為替FX、投資運用、
両替、電子決済、カード発行、ファクタリング、リース、預金業務など、
事業内容に応じて、求められる条件は異なります。
登記法域・事業法域によっても、求められる条件が異なります。
しかし、審査で見られるポイントには共通性があり、主に以下の5つになります。
①資本金
②運営能力(経験、人数、所在地、システム)
③マネーロンダリング規制への対応
④顧客資金分別管理
⑤取引記録・財務諸表の保管・提出・レポート
ライセンス取得には時間も費用もかかるため、回避したい気持ちは理解できます。
しかし、ライセンス無しで事業活動をした場合、罰則金が発生するのみならず、
信用がないために顧客基盤と売上を上げられない、口座開設がそもそもできない、
システム会社や会計事務所といった事業インフラを支える取引先と契約できない、
といった問題から、そもそも事業が成立しない可能性があります。
条件の緩いブラックリスト国でライセンスを取得する場合も同じです。
なんとか事業開始にこぎつけられても、規模が大きくなるころに、
提携する金融機関から出入金ができなくなり、余計に大被害を被る可能性があります。
これを受けて、
自分には金融事業を営むキャパシティがないと参入を諦めるか、あるいは
ライセンス取得の初期投入に織り込んでプロとしての覚悟を持つかは、
読者のみなさま次第です。
この記事が、みなさまの素早い意思決定の一助になれば幸いです。
次回はライセンス取得のメリットについて書きます。
kaigaihoujin.yamaguchi@gmail.com