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オフショア銀行に限らず、コンプライアンスという言葉を耳にすることが多いと思います。そもそも、コンプライアンスとは何でしょうか?
コンプライアンスとは、法令遵守のことで、企業や組織が法律、規制、ガイドライン、内部規則などの外部および内部の規範に従う実践やプロセスを指す広い意味の言葉です。これには、事業運営に関する法律や業界標準、企業倫理、社会の期待なども含まれます。
コンプライアンスの目的は、リスクの管理と軽減、法的責任や制裁の回避、企業の評判や信頼性の維持です。
オフショア銀行のライセンス審査(申請および維持)におけるコンプライアンス要件とは、形式的な文書提出にとどまらず、銀行自身や専門のコンプライアンスコンサルタントによる適切な管理、継続的な監視、そして規制変更に伴うコンプライアンス体制の再調整を含みます。
法域やライセンスによって異なりますが、一般的なガイドラインの項目を挙げます。
- 資本要件(最低資本金、レバレッジ制限、流動性規制)
- 監査と会計基準の遵守(財務監査、定期的な財務レポート)
- マネーロンダリング防止 (AML)(KYCプロセス、不審取引報告システム)
- テロ資金供与対策(内部ポリシー、疑わしい活動の報告手順)
- コンプライアンス体制(コンプライアンス担当者・内部監査・外部監査チーム)
- リスク管理(クレジットリスク、市場リスク、操作リスクの管理プロセス)
- サイバーセキュリティ(顧客データの安全性と銀行システムの整合性の保持)
- 定期レポーティング(資産、負債、資本余剰レベル、リスク、監査報告書等)
- 国際協力(特に他国の規制当局との税に関連する情報の共有)
非常に専門的で実践的な内容になりますので、弊社のような専門家から要件リストや定型フォームを取得するとともに、コンプライアンス担当者を採用し、実務に落とし込んだ上で、ライセンス審査に臨む必要があります。
ご相談はメールより承っております。
kaigaihoujin.yamaguchi@gmail.com
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