前回のつづき⇒
オフショア銀行の設立や運営に関する費用は、設立される法域、ライセンスの種類、事業規模、提供するサービスの範囲によって大きく異なります。
依頼される事務所によっては、固定料金でサービスを提供する場合もあれば、時間単位で請求する場合もあります。着手金と成果報酬が併用されることが多いでしょう。
一般的な平均費用を提示するのは難しいですが、値段はどうしても気になると思いますので、安く始めたい方向けにざっくりと目安を示します。
1.イニシャルコスト
事前相談料:5,000から100,000 USドル程度(ビジネスモデル作成および法域選定)
初期登録料:50,000から100,000 USドル程度(小規模なオフショア銀行の場合)
法的費用:30,000から300,000 USドル程度(法的文書作成および規制当局対応)
その他アドバイス料:50,000から300,000 USドル程度(申請書類作成および監査対応)
事業費用:600,000から8,000,000 USドル程度(事務所、人員採用、システム導入等)
2.ランニングコスト(年間)
ライセンス更新料:50,000から100,000 USドル程度(小規模なオフショア銀行の場合)
監査費用:10,000から300,000 USドル程度(会計、コンプライアンス)
事業費用:600,000から8,000,000 USドル程度(事務所、給与、システム維持管理等)
相談料:5,000から100,000 USドル程度(個別の法律調査、スキーム開発)
3.費用に含まれないが準備が必要な資金や見込まれる支出
自己資本
余剰資金
収益が出た際の税金
収益が出た際の投資家への配当
万が一コンプライアンス違反があったときのペナルティ
各種引当金
意外と安いと思った方は、かなり資金に余裕がある方だと思います。お金がネックになることはないですので、事業の学習を怠ったり、変な業者に引っかからなければ、ライセンス取得までたどり着くのは難しくないでしょう。
一方で、高くて手が出ないと思った方でも、諦めるにはまだ早いです。
オフショア銀行設立のための資金調達は、オンショアと似ており、様々なソースから資金を得ることができます。個人の貯蓄だけで銀行を設立することはありません。ベンチャーキャピタル、市場からの借入れ、融資保証などに加えて、株式発行、オフショアファンド、プライベートプレイスメントといったアプローチを取るのが一般的です。
なんとしてでもオフショア銀行ビジネスを成功させたい、という熱意があれば、①必要とされる初期資本、②手元にある自己資本、③資本規制や課税問題など、制約条件をふまえて一緒に選択肢を考えさせていただきます。
ご相談はメールより承っております。
kaigaihoujin.yamaguchi@gmail.com
関連記事: