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オフショア銀行の設立に関する審査条件は、各国や地域の法律や規制によって異なりますが、関与する人材の経験や資格について、一般に以下の要件が設けられています。
1.コンプライアンス担当者
コンプライアンス担当者には、法令遵守やリスク管理に関する経験と知識が求められます。コンプライアンスオフィサーやAMLオフィサー等のコンプライアンス関連の学位や専門資格を有していることが求められます。また、金融機関や監督当局でのコンプライアンス業務の経験も重視されます。
コンプライアンス担当者は、オフショア銀行の運営における法的要件や規制に従い、内部コントロールやリスク管理の仕組みを設計し、適切に実施する役割を果たします。また、マネーロンダリングやテロ資金供与などのリスクに対する対策を策定し、オフショア銀行の評判と信頼性を守る役割を担います。
2.IT・セキュリティ担当者
IT・セキュリティ担当者には、情報技術やセキュリティに関する経験と知識が求められます。例えば、情報技術関連の学位(例:コンピューターサイエンス)や専門資格(例:CISSP、CISM)や、金融機関・ITセキュリティ企業での実務経験やセキュリティ管理の経験は審査で評価されます。
IT・セキュリティ担当者は、オフショア銀行の情報システムの設計、開発、運用を担当し、データの保護やセキュリティ対策を実施します。また、顧客データや取引情報の保管と管理を行い、サイバーセキュリティの脅威に対する対策を実施する役割も担います。
3.金融プロフェッショナル
オフショア銀行の設立には、金融業界の専門知識を持つプロフェッショナルが不可欠です。銀行のコア業務となる金融商品、リスク管理、資金調達、資産運用、投資戦略などの分野に精通しており、顧客のニーズに応じたサービスを提供する役割も果たします。
金融関連の学位や認定資格(例:CFA、CAIA)を有していて、かつ金融機関での実務経験や投資ファンドの運営経験があるのが望ましいです。
4.法務・規制担当者
法務・規制担当者には、法律や金融規制に関する専門知識と経験が求められます。法学の学位や弁護士資格を有しており、過去の法務経験や金融機関での勤務経験が必要です。
オフショア銀行設立に必要な法的手続きや規制要件、オフショア地域の法律や国際的な規制にも精通しており、オフショア銀行の運営における法的リスクを管理する役割を果たします。
このうち、法務・規制担当者は、弊社の業界ネットワークを通して適切な人選を行うことができますが、その他のポジションで適任者がいない場合は、グローバル金融やオフショア金融に強い採用エージェントを通して採用活動を進めることになります。
ご相談はメールより承っております。
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