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オフショア銀行の作り方③市場を分析する

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1.市場分析において何より重要なのが顧客理解です。

オフショア銀行の顧客は多様であり、国籍、職業、資産内容、資産規模、年齢、家族構成などによってニーズが大きく異なります。本当の顧客ニーズは、オフショア法人を設立してから、コミュニケーションを通して学ぶ必要がありますが、一般的な傾向をいくつかご紹介します。

 

・高所得者の個人投資家
この顧客層は、数百万米ドル(数億円)規模の資産があり、資産保全や資産増加を目的としてオフショア銀行を利用します。株式、債券、投資ファンド、不動産などの多様な資産クラスをすでに保有していることが多く、国際的な投資機会にアクセスしたり、資産を多元化したりすることに関心があります。

 

・中小企業の経営者
この顧客層は、事業拡大やグローバルな展開を目指しており、オフショア銀行を利用して国際取引や資金調達を行います。資産規模は、数十万から数千万米ドル(数千万円から数十億円)の場合が多いです。彼らは銀行口座を通じて取引を行い、資金を移動したり、為替リスクを管理したりします。スムーズな出入金、国際税務の最適化、非居住者への融資、余剰資金の投資といったことに関心があります。

 

・海外移住者や国際的な労働者
この顧客層は、出身地や永住地と異なる国で働き、所得を得ているため、国際送金や通貨交換などの金融サービスを必要とします。不動産の購入や家族の経済的なサポートにもオフショア銀行を利用することがあります。口座開設や送金の操作が簡単、手数料が安い、ATMカードで現金引き出しができる、といった点に関心があります。

 

・資産管理会社と投資ファンド
この顧客層は、国際的な投資ポートフォリオを管理し、税制上のメリットや資産保全のためにオフショア銀行を利用します。彼らの顧客は、国籍や資産規模が異なるため、多様な金融サービス、資産保護と機密保持、そして財務基盤の安定性を求められます。

 

・投資ファンド
この顧客層は、大規模な資金を動かす必要があります。オフショア銀行のグローバルネットワークや専門的なカスタマイズサービスを求める傾向があります。

 

2.顧客属性をイメージできたら、競合分析です。

何も難しく考えることはありません。既存のオフショア銀行はどのようなビジネスモデルでどのようなサービスを提供しているのか、価格帯はどうなのか、ウェブサイトを見るだけでも見えてくるものがあります。そのうえで、どんな差別化のポイントを作れそうかを考えます。真似できるものは真似をした上で、突破口になりうるアイデアを準備するのです。

リサーチ会社を使えばマーケットシェアも調べられますが、新設のオフショア銀行の存在は微々たるものです。市場全体の競争とはほぼ無関係です。まずは目先の課題に専念しましょう。

 

3.最後に、市場のリスクと機会にもアンテアを張ります。

オフショア銀行は、グローバル金融の一部を成し、国際経済や国際政治の変化の影響をもろにうけます。こうした変化を意図して収益機会につなげるキャパシティは規模の小さいオフショア銀行にはありません。いかにして、リスクを回避するのかを考えましょう。例えば、政治紛争地域の顧客を受け付けない、自己資本でレバレッジの高い取引をしない、といったことに気をつけるだけでも、オフショア銀行の経営は安定します。関連ニュースを追う習慣を身につけ、リスクをリストアップしましょう。

新たなビジネス機会も把握することが重要です。例えば、AIを活用した業務効率化や、デジタル資産の取り扱い、フィンテックベンチャーとの提携などは、機動力の高い新参者だからこそできることです。その優位性を生かさない手はありません。

 

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