前回の続き⇒
海外法人を使って、中国でオフショア銀行口座を開設し、中国投資する
という文脈でこれまで記事を書いてきました。
今回は逆に、中国法人を使ってオフショア銀行口座を開設する
という文脈で書いていきます。
中国法人は、毎年更新と決算を中国基準で行なう必要があるので、政策の突発的な変更や担当者の独断的な判断で不利益を被るんじゃないかと思われる方がいるかも知れません。
また、中国法人は情報の透明度が非常に高く、税務手続きも煩雑なため、ペーパーカンパニーとして色々操作するのに適した器ではないと、海外法人のプロの間でも、否定的な見方をされてきました。
しかしこれは、あくまでも日本市場からの、中国法人に対する平均的な見方であることを忘れてはなりません。
実のところ、中国は多くの国と租税条約・経済協定を締結しており、チャイナ・マネーが好意的に受け入れられている場面が多くあります。世界の投資や貿易に伴う資金決済の通貨として、中国の人民元が日本円を抜いて世界4位になったことも、それを物語っております。香港法人を媒介としなくても、中国法人単体で、国際取引の表舞台に出てくることも増えてきました。
事実、ほとんどのオフショア法域において、中国法人の国際的な信用力が高く、門前払いを食らうことなく、銀行口座を開設することができます。そして特筆すべきは、いまだ緊張関係が続くアメリカにおいてさえ、法人口座を開設できるということです。
中国法人名義でアメリカ口座を持つことは、使い方しだいでは、事業の正当性を中国政府に守ってもらうと同時に、資産の正当性をアメリカ政府に守ってもらえるということになります。これをベースに国際ビジネスを展開させれば、将来安泰ではないでしょうか。
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kaigaihoujin.yamaguchi@gmail.com