前回のつづき⇒
これまで11回にわたって、オフショア銀行の作り方について、少しだけ専門的に解説してきました。個別にお問い合わせいただいた方へ有料コンテンツとして提供することも考えましたが、「公益性」と「選別」の観点から、無料公開させていただきました。
ここまでシリーズを丁寧にお読みいただいた方は、オフショア銀行がどのような目的で設立され、どのようなポイントで運営されているのか、垣間見ることができたのではないかと思います。
オフショア銀行も国際金融ネットワークの一部ですので、すでに海外口座をお持ちの方でしたら、良い悪いにかかわらず、思い起こされるご自身の利用体験があったのではないでしょうか。海外口座をスムーズに活用する上で、なにかのヒントになればと思います。
一方で、本シリーズを読んで、興味ない単語ばかりで眠たい、価格や要求が高すぎて想像と違う、オフショア銀行を設立しても期待するメリットを得られそうにない、といった感想を持たれた方もいるでしょう。
その場合は、オフショア銀行の利用や経営に適していないのかもしれません。深掘りしてリソースを浪費してしまう前に気がつくことは大切です。
オフショア銀行のライセンスの構成要素は、少し変わった銀行ビジネスの経営能力の最低限の証明です。いくら資本力があっても、代行業者に丸投げするだけでは、ライセンスを取得できないでしょう。百歩譲って、政治経済が不安定なマイナー法域で、制限付きライセンスを取得できたとしても、国際的な金融ルールに則った経営ができなければ、収益を上げられません。
業界未経験で最初から完璧に対応できる方は皆無です。しかし、何が不足しているのかを理解し、それを補うために自分でも努力してプロフェッショナルにも頼る、トラブルや競争ルールがひっくり返るような環境変化が起きても粘り強く対応する、理屈やテクニックではなく最後は気合で乗り切る、こういうマインドセットを持っている方が、最終的にオフショア銀行業界で成功しています。
日本はじめ先進国のオンショアで銀行を設立して、生き残りをかけた競争に勝つことは至難の業ですが、オフショアは機会に満ちています。その気になれば、人種、宗教、出身地問わず、富と地位と名誉を手に入れられるのが、オフショアの魅力です。それはまた、グローバル水準に己を高めなければならない厳しさの裏返しでもあります。
われこそは!という方がおりましたらご連絡ください。
オフショアの専門家として、新たな景色をお見せできる日を心待ちにしております。
ご相談はメールより承っております。
kaigaihoujin.yamaguchi@gmail.com
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