海外銀行のコンプライアンスが厳しくなったと嘆く方は多いと思いますが、そのような方は銀行倒産の最悪の事態を経験したことがないのかもしれません。
銀行が倒産するということは一部政府保証分を除き、預金は消えてしまいます。そして銀行倒産は重度の社会不安を引き起こし、逆張りした一部の投資家を除き、多くの投資家の含み損を拡大させます。
しかしこれはまだ最悪の事態ではありません。預金が消えても、投資で大損しても、再起の可能性はあるからです。
それ以上に留意しなければならないのは、匿名性と利便性を期待して海外口座を利用しているにもかかわらず、倒産の実態調査の中で、銀行内部に溜まった膿と共に、これまでの記録がすべて白日の元にさらされることです。
何も隠し事がない方にはどうでもいいことかもしれませんが、聞いたこともない地の果ての零細銀行にお金を隠したばかりに、お金が消えてさらに国内外で大々的な捜査に巻き込まれるのは、割に合わないことです。
口座開設をするときは、こういったリスクがあることも念頭に置かなければなりません。