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エストニア法人 その3 銀行口座開設

kaigaihoujin.hatenablog.com

前回のつづき⇒

 

エストニア法人(ここではOÜを想定)を設立した後、事業を実際に動かすためには銀行口座が不可欠です。しかし、非居住者オーナーが法人口座を開設する際には、選択肢と難易度に大きな違いがあります。以下にて、主なアプローチとそれぞれの特徴をまとめます。

 

1.エストニア現地の銀行

エストニアにはLHV Pank、Swedbank、SEB Pankなどの大手銀行があります。

ユーロ建て口座を開設して、EU内で便利に送金でき、実際のビジネスにおいても信用力の向上が期待できます。しかしながら、非居住者に対しては、主な国際的な金融センター同様に厳格な審査あり、現地訪問して事業計画書や契約書などを提示し、実体ある事業と認めてもらう必要があります。

エストニアを拠点として、EU市場でビジネス展開したい起業家に向いているアプローチです。

 

2.マルチカレンシー送金サービス

金融業界で一定の信用を得られる程度に、フィンテックが過去10年で成熟したため、現地訪問せずともマルチカレンシー口座を持てる時代になりました。

Wise Business(旧TransferWise)、Revolut Business、Payoneerに代表されるようなサービスを利用すれば、設立されたばかりのエストニア法人であっても、オンライン申請可能で、審査もすべてオンラインで完結し、複数通貨のIBAN口座やVisa/Masterカードが利用できます。

取引額の上限や、取引相手・業種の制限はあるものの、エストニア法人の登記証明書、株主・取締役情報を提出すれば開設は難しくなく、なるべくコストを抑えて素早く送金手段を得たいスタートアップやフリーランスには魅力的な選択肢といえます。

法人設立代行業者は、フィンテックサービスの口座開設サポートも行える場合が多いですが、複数のアカウント開設を依頼すると高額になるため、自力で一部チャレンジすることも視野に入れるべきです。

 

3.イギリスおよびEUの大手銀行

エストニア法人であっても、イギリスや他のEU加盟国の銀行口座を開くことは理論的に可能です。

しかし、イギリス系の大手金融機関(HSBC、Barclays、Lloyds)の審査は非常に厳しく、非居住者法人は現地訪問が必須で、ビジネス規模が大きくなければ、現実的ではありません。

ドイツ、オランダ、フランスなどの大手金融機関においても、エストニア法人はEU圏にあるとはいえ、現地法人での経済活動実態を示す必要があります。非居住者個人が、エストニア法人を持っているからといって、ヨーロッパ旅行のついでに口座開設するのは極めて困難です。

この選択肢が適しているのは、すでにヨーロッパ以外でビジネスの実績があり、ヨーロッパ進出に際して信用力を高めたい、そして、国をまたぐ為替・融資・給与支払いなどの付加価値も銀行に期待したいケースです。

 

4.オフショア法域のオフショア銀行

チャンネル諸島、マン島、ジブラルタルなどのオフショア銀行は、エストニア法人の口座開設を受け付けてきました。イギリスおよびEU圏の金融投資に強く、法人のオーナーである非居住者個人に対するプライベート・バンキングサービスも盛んです。

しかし、近年のマネーロンダリング規制強化により、設立直後の法人や実体の薄い会社は開設困難であり、顧客契約書、他の商業銀行での取引記録、オーナーの納税証明などの提出は必須です。

すでに実業や投資によって資産形成を終え、ファミリーでのヨーロッパ移住と資産移転を考えている超富裕層に適したアプローチです。

 

これから、エストニア法人を活用して資産形成していく、あるいは、海外を自由自在に旅行しながらスモールビジネスをしていくという方には、1と2のアプローチが有効です。

 

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