セーシェル最大手の銀行であるBarclays Bank Seychelles (バークレイズ銀行セーシェル)は、セーシェル最古の銀行として、１９５９年に、イギリス・バークレイズグループアフリカ部門のセーシェル支店として創設され、２００４年から、非居住者向けのオフショア口座サービスを展開してきましたが、２０１５年１０月末をもって、サービスの提供を終了しました。
オフショア法人口座は最低預金額が ５００００USD以上必要で、口座開設まで２～３ヶ月かかるにもかかわらず、その高い機密保持性と、バークレイズグループの高い信用格付けから、大口の顧客に絶大な人気があり、セーシェルのオフショア銀行として盤石の強さを誇っておりました。
しかし、この一件から、この規模のオフショア銀行でさえ、国際情勢の変化にともなうオフショア銀行業界の再編から逃れることは非常に難しいことが伺えます。
国際社会の圧力が強まったのが先か、顧客が離れていくが先だったかは分かりませんが、いずれにせよここ２－３年の経営環境は決してかんばしいものではなかったでしょう。
いかにうまく資産を隠すか画策する時代は終わりつつあります。逃亡先を変えることで少しばかり延命することはできるかもしれませんが、時代の流れを変えることはできません。
しかしこれを、いかに各国の法制度を知り、海外法人、海外口座を活用して、ビジネスを成功に導くかを真剣に考えなければならない時代が来つつあるのだというふうに捉えることもできます。
少なくとも、私は専門家として、そのように捉えていきたいと考えています。
