デモが激化する香港ですが、そんな中で金融界に大きな変革が訪れつつあります。
香港HSBCは、8月1日より、通帳口座、明細書口座、個人口座並びにアドバンスインテグレーティッド口座等を保持している約300万人の個人顧客に対し、月次口座維持手数料の免除を開始しました。恒生銀行(ハンセン銀行)や中国銀行といった大手各行もそれに追従する形で、月次の口座維持手数料の免除を決定、サービス開始しております。
こうした背景には、香港金融管理局(HKMA)が推進する仮想銀行(バーチャルバンク)に対する危機意識があります。
仮想銀行(バーチャルバンク)は実店舗を持たず、オンラインで事業を展開する、日本で2000年代初めから見られるインターネット専業銀行のことです。
香港金融管理局(HKMA)は、2019年3月以来8行の仮想銀行免許を発行し、中国本土に比べて後れを取ってきたフィンテックの領域で巻き返しを図る構えです。
仮想銀行は小規模預金者に対して口座維持最低残高手数料を請求することを禁じられており、これが顧客を引き付けるためのセールスポイントとみられています。そのため、伝統的な銀行勢力も、ITリテラシーの高い若年層を引き留めるために、最低料金を廃止する動きとなりました。
良質な競争によって、利用者がより簡単に安価な金融サービスを受けられる大きな変革の第一歩です。