オフショア銀行は、原則として、経済制裁国以外で登記された海外法人であれば、
どの法域であっても、口座開設の申請を受け付けておりますが、
実務上は、親和性の高い法域の法人のほうが口座開設に成功しやすくなる、
あるいは、手続きが早くなるという現実があります。
親和性の高さを構成する要素は以下のとおりです。
1.地理的な距離
地理的に近ければ近いほど、ステークホルダーとコミュニケーションが取りやすく、信用調査も容易になります。オフショア法人の登記法域にその銀行が支店を出していれば、一層口座開設成功に近づきます。
2.過去の実績
銀行は、国際的な経済犯罪に巻き込まれることを非常に恐れています。名声に影響するだけでなく、調査協力に必要な膨大な工数、巨額のペナルティが発生してしまうからです。そのため、経済犯罪に巻き込まれる可能性が相対的に高い法域、あるいは過去に苦い思いをした法域のオフショア法人は、最初から敬遠されることになります。クリーンになる前の、一時期のベリーズ法人のように。
もちろん逆に、主だった過去トラブルがなく、多くの財産を預けてくれる法域の法人は、歓迎されることになります。
3.代理店との関係
人的交流のある代理店や、長年取引している代理店から紹介された顧客であれば、書類不備がない前提ですが、優先的に口座開設の対応をしてもらえます。モーリシャス、ベリーズ、英領BVI、スイスといった伝統的なオフショアでは、この傾向が色濃く出ております。
4.(元)宗主国との関係
オフショア国の多くは、過去に植民地時代を経験しております。独立を果たした国であっても、今なお、政治的に、また経済的に(元)宗主国とは切ってもきれない関係にあります。(元)宗主国を含む(元)植民地国間で構成される大経済圏で登記されたオフショア法人であれば、優先的に口座開設の対応をしてもらえます。
その筆頭に上げられるのは、やはりイギリス連邦の経済圏です。
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kaigaihoujin.yamaguchi@gmail.com