日本では、国内企業の3分の2が後継者不在の問題を抱えており、そのほとんどは地方の中小企業で、その数は全国で150万社にも登ると言われます。
候補者を見つけるのが難しい、候補者を見つけてもそれを育てるのが難しい、引き継ぎロードマップを策定・実施する余裕がない、経営者の個人保証に関して金融機関と調整できない、といった課題が長年にわたって未解決のまま今に至ります。
そんな中で、働き方の「個人化」、M&A技術の「大衆化」、商取引の「インターネット化」によって、ゼロから起業するよりも、インターネット経由で小さな会社を買収して、事業承継するケースが増え始めています。
事業継承とゼロから起業の最大の違いは「生存率」です。
事業継承の場合、とても余裕があるわけではないけれども、顧客基盤や取引先がすでにある、商品差別化ができている、従業員が業務フローに従って目先の仕事を回せる、過去のデータから帰納的に収支計画をたてられるので、起業に比べて、不確定要素が遥かに少ないです。
つまり、企業買収して経営者の仕事に慣れるまでの間、会社には最低限の余裕があり、経営者の仕事に慣れたあとは、会社に自分の強みや考えを反映する空間があると言えます。
もちろんゼロから起業することで得られる経験や思い出、そして大きな報酬と充実感を否定するわけではありません。それはとても尊いものです。
一方で、社会的に存在価値が一定期間認められている事業を継承して改善するほうが、失敗する確率が低いのも事実です。
日本国内の事業継承の増加トレンドを見たとき、海外法人を扱うプロとして、お客様にいくつか価値を提供できると感じました。
次回に続きます。