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海外口座と相続問題 その12 相続を考えるベストタイミングはいつ?

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「相続対策は早めに取り組むべき」と耳にする方は多いと思います。しかし、いざ自分の状況に照らして考えると「いつから始めるのが最も効果的なのだろう」と迷うのが現実ではないでしょうか。

 

海外法人サポートセンターとしての見解は、年齢そのものではなく、資産形成から資産運用へと切り替わる時期こそが、最適なタイミングになります。

 

資産形成期と資産運用期の違い

資産形成期とは、サラリーマンであれば、給与収入や賞与をもとに貯蓄を増やしたり、住宅ローンを返済しながら資産を積み上げたりする時期です。事業家や経営者であれば、事業拡大による収益を再投資しながら資産を築く段階と言えるでしょう。

いずれにしても、この時期の資産はまだ流動的で、将来の規模や内訳を正確に把握するのは難しいものです。

一方で資産運用期に入ると、状況は安定してきます。サラリーマンであれば定年退職や役職定年を迎え、退職金や貯蓄の全体像が明らかになります。事業家であれば、事業承継や経営からの引退を契機に、それまで積み上げてきた資産の全体像が見えてきます。

この時期には、今後の生活に必要な資金と、次世代に承継できる資産を現実的に切り分けられるようになるのです。

 

ライフプランと連動できるメリット

相続対策を考えるうえで重要なのは、老後の生活に必要な資金をしっかりと確保した上で承継を設計することです。

資産形成期には、教育費や住宅費など出費が大きく、老後の生活費を具体的に想定するのは難しいでしょう。ところが資産運用期に入ると、生活費、医療費、介護費といった将来の支出をより正確に見積もることが可能になります。

これにより「余剰資産」を把握でき、無理のない範囲で相続準備に回すことができます。たとえば、サラリーマンであれば退職金の一部を生命保険に充てることで相続税の非課税枠を活用できますし、事業家であれば事業用資産と個人資産を整理して、どこまでを事業承継に含め、どこからを個人相続として分けるかを具体的に設計できます。

 

「争族」回避と節税効果

贈与税対策および相続税対策は短期間で完結するものではありません。

資産運用期の入口の段階から準備を始めれば、暦年贈与を活用して毎年少しずつ資産を移すことができますし、生命保険を活用して非課税枠を利用することも可能です。また、不動産を保有している場合、評価額を下げる工夫や、家族信託を使って承継方法を柔軟に設計することもできます。

一方で、資産運用益(キャピタルゲインおよびインカムゲイン)は、贈与後あるいは相続後に大きく発生することになりますので、それが大きくならないうちに贈与・相続対策することで、節税効果を高めることができます。

資産運用期の入口の段階から準備を始めることで、節税効果が得られるだけでなく、家族間での意思疎通や遺産分割の調整にも十分な時間を割くことができますので、「争族」を避けることができます。

 

年齢よりもタイミングが本質

相続を考えるタイミングを「五十代後半から六十代前半」と表現するケースもありますが、それはあくまで目安にすぎません。人によって収入や事業の状況、家族構成は異なります。四十代で事業を売却して資産運用期に入る方もいれば、七十代になっても現役で事業を続ける方もいます。

大切なのは年齢に縛られることではなく、「資産形成が一段落し、これからは守りと承継を意識する段階に入った」と自覚できるかどうかです。この感覚が訪れたときこそが、相続対策を始めるベストなタイミングなのです。

だからこそ、資産形成から資産運用への移行期という節目を意識することが重要であり、この時期を逃さず行動を起こせば、安心できる老後と、円滑な資産承継の両立が可能になります。

 

この考え方自体は、国内外問わず応用できるものですが、海外口座や海外投資のツールと組み合わせることで、効果を最大限発揮できるようになります。

 

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