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国際教育戦略
超富裕層の家庭にとって、子供の「国際感覚の教育」と親の「国際的な地位」は、切り離せない重要なテーマであり、ファミリーオフィスは、親と子の両方にとって重要な「国際教育戦略」において大きな力を発揮します。
まず、優れたファミリーオフィスは、主要なインターナショナルスクールやボーディングスクールへの入学支援、推薦ネットワークの活用といった形で、海外トップ校への進学ルートを提供します。
子供にとっては、一発勝負型の入試から解放されることで、課外活動やエッセイを重視する教育環境を選べるため、ストレスを減らしつつ国際感覚を養うことができます。さらに、進学先の大学や同窓会、起業支援ネットワークを通じて、生涯にわたる国際的な人脈を獲得できるのも大きな魅力です。
親にとっても、ファミリーオフィスを介して参加できるコミュニティは単なる投資仲間ではなく、国際的な事業連携や共投資の場として価値があります。他のファミリーと共同でグローバル案件に参画できるだけでなく、税務や法務の実務ノウハウ、事業経験の交換を通じて、自身の知見を広げることも可能です。
また、信頼あるネットワークに属することで社会的信用も高まり、ビジネス上の優位性が増すことも見逃せません。
「得る」だけでは不十分
しかし、こうしたコミュニティは財力だけで参加できるものではなく、共通の価値観や方向性があることが前提となります。
教育機関を含む、国際的な富裕層コミュニティでは、そこから何かを「得る」だけでは不十分で、何をシェアできるか、そしてどのような共通の貢献テーマに沿って活動できるかが問われます。
事業分野の専門知識や投資経験、次世代教育や人材育成の取り組みを共有することは、コミュニティに歓迎されるだけでなく、子供の教育にも直結します。
特に、サステナビリティやグローバル人材教育、社会貢献型投資といったテーマに沿った活動は、親子双方の成長と国際的立ち位置の確立に大きく寄与します。
また、子供の教育だけが進んでも、親が国際社会で立ち位置を確立できなければ、親自身はコミュニティの周縁に留まってしまい、家族全体のシナジーは限定的です。語学力や交渉力、国際的な事業経験や投資ストーリー、さらにコミュニティに提供できる価値を持つことが、親自身の国際競争力の強化につながります。
つまり、子供の未来を拓くためには、親として、進んで再教育を受ける必要があるのです。
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