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オフショア決済代行会社の作り方⑤市場を分析する

kaigaihoujin.hatenablog.com

⇒前回の続き

 

オフショア決済代行会社を設立したけれど、利用者が増えずビジネスが成り立たない、そんなことにならないように、市場を分析して顧客理解することが第一歩です。

 

オフショア決済代行サービスの顧客は加盟店であり、大きくは2つのタイプに分けられます。

 

1.クロスボーダー決済

クロスボーダー決済とは、国境を越えた取引における決済サービスのことを指します。複数の通貨を取り扱ったり、異なる決済インフラを利用したり、複雑な法規制へ対応したりする必要があるため、加盟店とアクワイアラが国内のように直接契約するのが難しい場合があります。この課題を解決するのが、オフショア決済代行サービスの重要な役割の一つです。

例えば、以下の業種はクロスボーダー決済をよく行ないます。

  • 海外旅行者向けの予約サービス
  • 消費者向けのオンラインショップ
  • 海外事業者向けのコンサルティング・ITサービス

しかし、そのニーズは多様であり、事業内容、事業法域、売上規模などによって大きく異なります。自分がその決済パターンや課題、料金体系をよく理解している業種・市場からサービスを提供すると良いでしょう。

そして、デジタル決済とデータドリブンマーケティングが、既存のオフショア決済代行会社にはない強みとなるでしょう。

 

2.ハイリスク決済

ハイリスク決済とは、ハイリスクビジネスのための決済処理です。

ハイリスクビジネスとは、様々な法的、倫理的、金融上のリスクが高い業種を指します。例えば、以下の業種が、決済業界においてハイリスクビジネスに分類されます。

  • 成人向けコンテンツ(ポルノ動画配信、ライブチャット、出会い系など)
  • オンラインギャンブル(オンラインカジノ、オンラインスポーツベッティングなど)
  • 医薬品販売(ジェネリック、美容品、栄養食品、サプリメントなど)
  • マルチレベルマーケティング(マルチ商法、ネットワーキングなど)
  • 高リスク金融商品(FX取引、バイナリーオプションなど)
  • 高利貸し(小口短期ローン、担保ローンなど)
  • 仮想通貨関連事業(仮想通貨の交換、決済、マイニングなど)

これらの業種は、加盟店から比較的高い手数料をもらえることが多いですが、マネーロンダリング、不正利用、詐欺などのリスクが高く、決済代行事業者にとっても大きな法的責任と評判リスクが伴いますので、加盟店のリスクプロファイルと継続的な取引モニタリング、そして金融機関に管理能力があると示し続けることが重要になります。

 

クロスボーダー決済型とハイリスク決済型は、審査要件や取引先が異なるため力をいれる業務領域が異なります。

しかし、いずれのタイプも、具体的な顧客ニーズは、オフショア決済代行会社を設立してから、コミュニケーションを通してしか学べないため、事前に市場を分析したからといって顧客を理解した気になるのではなく、顧客の声に耳を傾け、問題解決し続ける意識を、組織に植え付けなければなりません。

 

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