読者のみなさまと、新たなお客様方に支えられて、海外法人サポートセンターのブログは3周年を迎えることができました。
この3年で業界を取り巻く環境がガラリと変わりましたが、引き続き公益性を考慮した情報発信と、変化に適応するための経営努力を続けて参りますので、何卒ご支援ご鞭撻のほど、お願い申し上げます。
前回の続き⇒
海外法人の売却、買収について、業界を取り巻く規制強化の流れに対応しつつ、買い手と売り手の双方が安心できる取引をサポートするために、この頃は、積極的に転売案件を公開しておりません。
そのかわりに、法人の価値の精査により多くの時間を費やしております。
海外法人の価値は、次の観点から測られます。
①実態のあるビジネス寄りの海外法人の場合
・経営実態
・財務諸表に基づく企業価値
・転売後の双方の税務リスク
②実態のないペーパーカンパニー寄りの海外法人の場合
・各種口座利用履歴
・偶発債務
・転売後の双方の税務リスク
端的に言いきれば、①は一般的な国際M&Aの観点を簡素化したもので、②は転売対象が犯罪行為と無関係か確認するためのものです。
オフショアでは文面主義が徹底されますので、いずれの場合も、相手と言い値が合えば登記変更するだけで済むものではなく、企業価値とリスクを正しく捉えるために、それなりに時間と労力と費用が発生することにご留意ください。
安易に譲渡してあとで問題が起きても、すべて互いに自力で解決していただけるなら別ですが。
中国本土の人民元は現地時間30日午前9時41分(日本時間同10時41分)現在、0.09%安の1ドル=6.9684元。2008年5月以来の安値を付けたとのこと。
人民元建てで中国仕入れをしている貿易会社は大分儲かったのではないでしょうか。
日本円あるいはUSドル建てであっても、香港法人で為替リスク管理すれば、よりスムーズに、より安いコストで、同等の恩恵に授かることができます。
市場が混乱しているときほど、香港法人のような金融センター、中継貿易拠点の活用は重要になります。詳しくはメールよりお問い合わせください。
kaigaihoujin.yamaguchi@gmail.com
デンマーク最大手ダンスケ銀行、フィンランド(北欧)最大手ノルデア銀行が、立て続けにバルト三国経由で犯罪資金を受け取ったとし、欧州各国および米国当局が調査に乗り出しています。
EUおよび各国の執行体制を批判することもできますが、日本よりはるかに厳しい基準を設けて、運用しているにもかかわらず、また、日本よりはるかに厳しい罰金が課されるにもかかわらず、マネーロンダリングがなくならないのは、それだけ社会が不安定であることの裏返しです。
資産を持っていると分かるだけで剥奪されるリスクがあったり、国家の資源・資産を盗む以外に大成功の道がなかったり、何をするにも巨額の袖の下が必要であったり、国の法秩序や運用が未熟でお金さえあれば非人道的な欲望を際限なく満たせるところが、世界には、まだまだたくさんあります。つまり、海外法人や海外口座の便利さと厳しさは、不安定な社会の必死さを象徴していると言えます。
海外法人や海外口座を活用してビジネスをしていると、まるで日本がすごく不便で、貧しく、洗練されていないと感じる方が出てきます。
しかしそれは、日本の安定さの上で、海外インフラを利用しているからこそ感じることです。そのありがたみを忘れるほど、日本が安全で、恵まれた環境であると言わざるを得ません。誰になんと言われようが、今のところ、必死になる必要はないのですから。
イギリスで新たに制定された不明財産に関する命令(UWO)に基づき、アゼルバイジャン籍の夫婦は、BVI法人名義で高級住宅街に20億円以上もの豪邸を購入できた理由を明確に説明することになりそうです。
UWOとは、不正に入手した金を英国内で洗浄した可能性のある外国政府関係者を対象とする新たな法的権限。これまでは、証拠不十分で、不動産所有者を告発したり資産を差し押さえたりするのはほぼ不可能だったが、今回の導入でそれを可能にする狙い。
夫は2016年に有罪判決を受けて服役中だが、今回の裁判では、高級百貨店ハロッズで24億円もの買い物をした妻の身元も明かされることになった。
きれいな移民の受け入れ政策とともに、過去に受け入れた疑わしき移民の整理も本格化しそうです。
海外法人設立や海外口座開設において、KYCというキーワードが登場して数年が経ちますが、世界的なマネーロンダリング防止の強化と、仮想通貨業界の勃興により、業界の標準業務プロセスとして定着し、世間的にも認知されるようになったのはここ1・2年の話です。
KYCとは「Know Your Customer」の略で、顧客確認の一連の業務プロセスを指します。
KYCで主に確認される顧客情報は以下のように分類できます。
本人特定系
・名前、性別、生年月日、身分証番号
・居住住所、本籍地、定住所
・電話番号、メールアドレス
経済状況系
・収入額、納税額
・職業、勤務先
・取引銀行、入金元、原資、金融資産
・真の保有者
事業内容系(法人名義の場合)
・法人登記情報
・事業実績
・事業計画
・取引先情報
・真の保有者
こういった項目の真偽と最新状況を確かめるためには、自己申告だけでは当然不十分で、コピーのデータ送信、原本と本人の自撮り写真送信、第三機関による認証書類の郵送、原本持参しての対面での面接等の形式がよく取られます。
これら書類準備と審査は、顧客と供給者の双方に大きな負担を強いるようになったのは、言うまでもありません。
それに加え、必要な項目、書類、記載内容、審査方法が供給者や政府の方針によって都度変わるのも、混乱と度重なる修正を招く大きな要因となっています。
しかしながら、世界的にこの趨勢が変わることがありません。匿名性は最初から与えられるものではなく、犯罪資金にかかわらなければ第三者に情報開示されないという限定付きで、権力機関から保証されるものになりつつあります。
犯罪に無関係でも顧客情報を管理されないことで得られるメリットについても、誰もが無料で享受できるものではなく、数十万、数百万円単位の費用がかかる法律技術を活用して、ようやく成立するものになりつつあります。
KYC対策をどうすればいいか、関心のある方はメールよりお問い合わせください。
kaigaihoujin.yamaguchi@gmail.com
HSBCは、大中華圏や東南アジアを含むアジア市場を拡大するために、HSBC香港およびHSBCシンガポールで、富裕層資産運用に携わる担当者の1300人にも登る増員を検討しているとのこと。
英語が話せて、原資がきれいな預金する日本人富裕層も、もちろん歓迎される存在です。アジアへの事業投資、金融投資、移住を真剣に検討していきたい方には、いい機会になると思います。
超巨大台風マンクットが香港、マカオに上陸するようです。
昨年の超巨大ハリケーンイルマはBVIはじめカリブ海諸国に、そして直近の台風21号は関西方面に深刻な傷跡を残しましたが、今回の台風はそれよりも大規模であり、現地では、人生で最大級の防風対策を取る必要があると言われているようです。
弊社も香港・マカオ関連業務については、安全を期して、来週火曜日まですべて停止、その後は社会インフラとビジネスインフラの稼働状況を見つつ、段階的に復旧させる予定です。
今週末から来週にかけて香港・マカオ・華南地区に渡航予定の方は、ただの大きな台風と甘く見ずに、日程変更されることを強く推奨いたします。
海外法人の利用者は、口座開設における合格枠の奪い合いだけではなく、オフショア政府のガバナンス強化により、各種登記変更や認証手続きにおいても、枠の奪い合いに晒されることになります。
身元確認できない利用者、犯罪の疑いのある利用者を市場から排除するには、弊社のような登記代理店も、政府機関も、作業時間を増やさざるを得ず、またリスクの許容度も下がりますので、対応できるお客様の数が自然と絞られることになります。
その結果、長い付き合いのあるお客様と、金払いのいいお客様は、引き続き海外法人の恩恵にあずかることができますが、金払いが悪いにもかかわらず、疑い深く要求が高い一見様は、買い手としての競争力を失う構図にあります。
海外法人サポートセンターのブログを書き始めてから3年弱となります。
久々に検索順位を見ると、約4億5千万件ある「海外法人」のキーワードでここのところ、1位を維持しているようです。SEO対策を何一つ施していないにもかかわらず、このような光栄な結果を得られたのは、ひとえに読者の皆様の関心のおかげです。
また、ここ数年の世界的な規制強化と透明化の流れの中で、対応が後手に回ってしまうことも多く、反省点と課題は山積みですが、廃業や主要サービス停止を決める業者が多い中で、安定した経営状態を維持できているのは、時代の流れに敏感な新規のお客様からの高い要求と叱咤があったからこそです。
本ブログは、海外法人の業界の仕組み、取り巻く環境、活用方法について公益性の高い情報を提供することで、「海外」や「資産」といったキーワードを意識されている方に遠回りしてほしくないという思いと、インターネットを通してより多様な方にサービスを提供することで、弊社自身の成長と環境適応につなげていきたいという狙いから、始めさせていただきました。
今後も初心を忘れず、より多くの方に、より大きな価値を提供できるように努力してまいりますので、引き続きご指導ご鞭撻のほど、お願い申し上げます。
仕事のご依頼や個別相談をされたい方は、メールにて受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
kaigaihoujin.yamaguchi@gmail.com
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